MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア #07

取材・文・写真・構成:TRAILS
『MYOGer Works』では、TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) に集まるMYOGerたちの作品をレポートしていく。
GARAGEでは、どんなMYOGerたちが、どんなギアをMYOGしているのか?
それぞれのMYOGerたちのバックグラウンド(MYOGしたきっかけや動機) と合わせて、各人がMYOGしたギアを紹介する。
今回の#06〜#08では、MYOGer NIGHT #03 (2025年3月開催)に参加した、MYOGerたちによるギアを紹介。イベント当日の様子は、イベントレポートをぜひチェックしてみてほしい。 (記事はコチラ)
MYOGのマテリアル販売、MYOGer向けSCHOOL、MYOGer NIGHTと同様に、この『MYOGer Works』の記事が、MYOGカルチャーの世界観を共有、啓蒙し、新たなUL GARAGE MAKER誕生の健全なブースターとなればと思う。
ハンモック / BENJII
ハンモック (ボディ: モノライト・リップストップ・ナイロン・メッシュ 1.0oz。重量:191g。製作時間:5時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
BENJII:欲しいと思ったハンモックが即完売で手に入らず、「自分だってミシンは少しなら使える、生地を手に入れれば作れるはず」と思ったのが、このハンモックを作ったきっかけでした。
その完売してしまったハンモックの写真と説明文から、使っている生地を血眼になって特定して、ゲットしました。これだっていう確証はなかったですが(笑)
メッシュ生地で作ったハンモック。
—— 製作はどのように進みましたか?
BENJII:ハンモックの作り方なんて知らなかったです。そんな時、TRAILSでハンモックの作り方を紹介されている記事を見て、ゲットした生地を車に積み込み「この生地で作りたい」とTRAILSのGARAGEに行きました。
そこでいろいろ教えてもらって、足りないものを購入して、ワクワクの勢いのまま、あとは家でミシンをベタ踏み。大変だったのは、長い生地をまっすぐ縫うことですね。ブレるけど、売るわけでもないんで、気にせずって感じ縫いました。試しに張った屋上で、作ったハンモックに揺られたときは最高でした。
MYOGにハマったきっかけ
テントの出入口に不便を感じていた軍物テントに、ジッパーを付けたのMYOGのきっかけ。その後、TRAILSのGARAAGEに通うようになり、MYOGを続けている。
ストラップ / DAISUKE
ストラップ (ボディ: リムテープ。重量:23g。製作時間:30分。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
DAISUKE:みなさん、サコッシュとかポーチとか持ってますよね?自転車乗りの人なら、そこら辺にリムテープ (※) が引っかかってますよね。
リムテープは、幅もちょうどよさそうだし、滑らなそう、もちろん保水もしない、そして誰も持っていない。ということで、このストラップを作ってみました。
※ リムテープ: ホイールの内側のタイヤとチューブの間に取り付けるテープ状の部品。
身の回りにあるパーツで作ったサコッシュなどに付けるストラップ。
—— 苦労したポイントとかはありますか?
DAISUKE:制作の際、大変だった点は、ミシンが通らないので手縫いだという点です。製作時間は30分ほどでしょうか。
簡単だから、ぜひみんな作ってみてほしいと思います。
MYOGにハマったきっかけ
ULのギアを見ていたら「自分で作れるのでは?」と思って、MYOGを始めた。MYOGについて少しだけ調べてから、ミシンを購入して、即挑戦!最初のMYOGは手芸屋さんで買える部材で、奥さんが持っていたサコッシュを真似て作ってみたのがはじまり。意外と自分でできるじゃん!という感触だったのと、何より純粋に楽しかった。
バックパック / NENTA
バックパック (ボディ: ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック・ハイブリッド。重量:1080g。製作時間:2週間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
NENTA:ハワイのKo’olau Summit Trailの一部を歩くために、MYOGしたバックパックです。
トロピカルな空気に馴染む青を基調に、開け閉め・出し入れのしやすさにフォーカスしました。
ウェストベルトなどしっかりした構造のバックパック。
—— 工夫したポイントはどんなところですか?
NENTA:本体は巾着型ロールトップにジッパーを併用して、防雨性・容量拡張性・アクセス性のバランスを取りました。
サイドは上下にメッシュポケットを配置し、長物も通せる仕様にしました。正面にも大きなメッシュポケットを備え、オーセンティックなULデザインに仕上げました。
MYOGにハマったきっかけ
大学でバックパックの研究、現在は製品のエンジニアリングに関連したことに従事しており、レイウェイのバックパックを見た時に、ここに技術が加わればフィッティングなども向上するはずと思い、自分の人間工学のスキルを活かしてバックパックのMYOGを始めた。
サコッシュ / KYU
サコッシュ (ボディ: ダイニーマ®︎ グリッドストップ 210D。重量:161g。製作時間:10日。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KYU:最近のバックパックにはよく付いている、底部分のメッシュポケットをサコッシュにも付けてみました。このポケットは、ドリンクや傘を持ち歩くときに欲しかったんです。底部分なら水滴が付いていてもOK、サコッシュの中身も濡れないから、いいなと思いました。
背面には、濡れた手ぬぐいを入れるための防水ポケットを付けました。
自分の使い方に合わせて、ポケットや仕切りを配置した。
—— 自分の使い方に合わせて、ポケットをかなり工夫して作ってますね。
KYU:小分けポケット大好きで (笑)。
リップ、ティッシュ、目薬、櫛、絆創膏、鍵とか、どこに何があるかわかり、すぐに出せるように考えてポケットを配置しました。
サングラスとか脱いだ上着等を掛けたいと思い、バンジーコードを付けてみたんですけど、小さい部分に取り付けてしまったので、引っ張られてしまい蓋がめくれ上がってしまうのが失敗でした‥。
MYOGにハマったきっかけ
小さい頃から手芸が好き。それで富士山を歩くときに、砂が入るとやだと思ってゲイターを買おうとしたが、買うと高いから、手芸屋さんで防水生地を買って自分で作ってみたのが、MYOGのきっかけ。作るのが下手でも、買ったものより、自分でMYOGしたものを持って歩く方が好き。
キルト / KEISUKE
キルト (生地:Air Light Rip 15D、中綿:Thinsulate HL-60。重量:325g。製作時間:4日。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KEISUKE:中綿を購入できるところを見つけたことをきっかけに、以前から使ってみたかったキルトをMYOGしてみることにしました。
工夫したのは、裾をすぼませたシルエットにして、足元はスナップボタンにして軽量化したところです。また背面部分に平ゴムを取り付けて、エアマットを固定できる仕様にしてあります。
鮮やかなカラーリングも印象的なキルト。
—— どんなところに苦労しましたか?
KEISUKE:そうですね、苦労したのは、生地が伸びやすく、縫製のときにズレが発生したり、端がほつれやすい点ですね。中綿を固定する処理に一度失敗してしまって、糸を解いて縫い直したりしました。
MYOGにハマったきっかけ
最初のMYOGはTRAILSのMYOG kitで作ったスタッフサック。鉄工や木工などものづくりやデザイン関連の仕事をしていたのもあって、欲しいものは自分でつくる習慣はある。2023年に歩いたジョン・ミューア・トレイルでは、自分でMYOGしたファニーパックとグランドシートを持って行き、MYOGしたギアで山を歩く楽しみを知った。
ショルダーバッグ / GOYA
ショルダーバック (ボディ:ULTRA 200X。重量:235g。製作時間:1ヶ月。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
GOYA:もともとMYOGしたバックパックを通勤で使っていたのですが、コンビニ飯を買う度に背負い直すのがわずらわしくなったのが、このバッグをつくったきっかけです。
縦型の形がポイントで、横型より身体からはみ出しづらくて、持ち運びしやすいです。
通勤用に作ったショルダーバッグ。
—— 他にはどんなところを工夫しましたか?
GOYA:サイドのショルダーストラップを取り付けるループを、中間の高さに配置することでカバンの重心を身体から離れづらくしました。
正面には斜めに切ったポケットが3つあって、それがそれぞれ高さが違っていて、折りたたみ傘や手袋など、すぐに出し入れできるのも気に入っています。
MYOGにハマったきっかけ
最初はDCFのジップ付きポーチを買おうと思っていたのですが、自分で作ればサイズや素材を自分のニーズに合わせてカスタマイズできることに気づきました。自分のニーズに合うギアを作れることが、私にとってMYOGの最大の魅力です。
バイクパッキング・バッグ / FUJI
バックパック (ボディ: X-Pac® VX21、ダイニーマ®︎ グリッドストップ 210D。重量:130g。製作時間:1ヶ月。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
FUJI:飛行機内への持込のときに運びやすいように、ベルトで持ち手を付けたりしたのが工夫したポイントです。
カラーリングは、好きなNBAチームのチームカラーのグリーンとブラックにしました。好きなカラーが選べるところも、MYOGの楽しみのひとつですね。
MYOGer NIGHT#03で「BEST STARTER」を受賞したバイクパッキング・パック。
—— MYOGを始めて3ヶ月でこれを作ったんですよね。
FUJI:鹿児島でバイクパッキング・トリップするため、「フロントバッグ、フレームバッグ、サドルバッグの一式を全部つくってやろう!」と思ってMYOGをしたんです。
このときは短期間の制作だったこともあり、作りが少し雑になってしまいましたが、次はゆっくりと時間をかけて、バックパックを作ってみたいなと思っています。
MYOGにハマったきっかけ
もともと山歩きや釣りをしながら旅をすることや、アウトドアギアが好き。自分が作った道具であれば自然と愛着が湧くし、その道具で旅ができたら、プラスアルファの楽しみがうまれ、ワクワクする遊びができると思い、GARAGEのSCHOOLに参加しイチからミシンを勉強し、MYOGを始めた。
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