MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア #08

取材・文・写真・構成:TRAILS
『MYOGer Works』では、TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) に集まるMYOGerたちの作品をレポートしていく。
GARAGEでは、どんなMYOGerたちが、どんなギアをMYOGしているのか?
それぞれのMYOGerたちのバックグラウンド(MYOGしたきっかけや動機) と合わせて、各人がMYOGしたギアを紹介する。
今回の#06〜#08では、MYOGer NIGHT #03 (2025年3月開催)に参加した、MYOGerたちによるギアを紹介。イベント当日の様子は、イベントレポートをぜひチェックしてみてほしい。 (記事はコチラ)
MYOGのマテリアル販売、MYOGer向けSCHOOL、MYOGer NIGHTと同様に、この『MYOGer Works』の記事が、MYOGカルチャーの世界観を共有、啓蒙し、新たなUL GARAGE MAKER誕生の健全なブースターとなればと思う。
バックパック / TAKUMI
バックパック (ボディ: リップストップ・ナイロン。重量:240g。製作時間:1ヶ月。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
TAKUMI:MYOGをするようになったのは、UL (ウルトラライト)ハイキングにハマったのがきっかけでした。ULを取り入れるようになってから、その源流にあるRay-Wayパックパックの存在を知り、いつか作ってみたいと思っていました。
Ray-Wayのキットは、説明書が全て英語なので、まずその読解に手間取ったり、寸法がインチ表記なので、いちいちセンチに変換するのが地味に面倒でした。途中でインチメジャーを買いました。
アメリカから取り寄せたRay-Wayパックパックのキットで製作。
—— どのようなところに苦労しましたか?
TAKUMI:家庭用ミシンで作ったので、パワー不足で生地が重なったところや硬いテープの部分が縫いづらくて苦労しました。
また最近のバックパックのつくりと比べると、何度もステッチを重ねたりするところは手間がかかりました。ボトム部分のラウンドのところ難しかったです。
MYOGにハマったきっかけ
UL (ウルトラライト) ハイキングの源流にあるRay-Wayバックパックの存在を知り、いつか作ってみたいと思っていた。そんな中、友達が先に山に持ってきたのを見て、やっぱりカッコいいなと思い、自分もアメリカからRay-WayのバックパックのMYOGキットを取り寄せたのがMYOGのきっかけ。
マフラー / YU-ICHI
マフラー (表地:2ルナイロン 20D、中綿:3Mシンサレート、裏地フリース。重量:60g。製作時間:1ヶ月。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
YU-ICHI:寒暖差の大きい季節に、山で行動中も停滞中も快適に使えるマフラーが欲しかったんです。軽くて、防風性があって、でも蒸れにくい。そんな都合のいい一本が市販にはなかなかなくて。
スナップボタンで巻き方を変えられるので、長さを短く抑え、軽量でコンパクトにしました。ワンループ巻き、ネックゲイター風、ほっかむりなどシーン応じてスタイルを変えられます。配色も差し色になるよう遊びを入れました。
いろいろな巻き方をできるマフラー。「puffy muffler」と命名。
—— 設計は順調に進みましたか?
YU-ICHI:最初にアイデアはあったけど、どう作ったらいいか悩みました。藁をもすがる思いでTRAILSのGARAGEに駆け込みました (笑)。 パターンやおすすめの素材なんかも教えてもらえて、お店に行くといい刺激をもらえます!いつもありがとうございます!
MYOGにハマったきっかけ
最初に作ったのはペグケース。シンプルな巾着ではなく、スナップボタンで開け閉めする仕様に。ミシン使ったこともなかったので縫い目はグズグズだが、今もそれが妙に惹かれていて大事に使っている。その後、MYOGにハマり、自分のブランド「sasurafu」も立ち上げ。
サコッシュ / FUMI
サコッシュ (ボディ: ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック1.43oz、エコパック EPX200。重量:119g。製作時間:4日。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
FUMI:そこそこ大きな既製品のサコッシュを使用していたのですが、内側にポケットがなく、自分で追加したポケットを付けて使っていました。
外側にも少し収納ができるポケットがほしい。バックパックを置いて少しの距離を歩く時にドリンク1本を気楽に持っていけたらと思い、それを解決するサコッシュを作成しました。
ポケットを工夫したサコッシュ。
—— 工夫したポイントはどんなところですか?
FUMI:パターンも何もない状態から、展開図や大きさ、縫う順番を考えてと、初めての事ばかりで苦戦もしましたが、形になってよかったです。
MYOGにハマったきっかけ
もともと既製品のギアの気に入らない部分を少し改良して使用するなど、作ることに興味はあったのですが、自作は難しそうだなと思ってとました。素材をどこで入手できるかわからなかったが、GARAGEのSCHOOLに参加して意外と作れるかもと思ったことがきっかけでMYOGを始めた。
シットマット / AYANEN
シットマット (ボディ: ・ダイニーマ®︎ グリッドストップ 210D、ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック 1.0oz、テクノフォーススチール。重量:55g。製作時間:3~4時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
AYANEN:山用の座布団を持っていなかったので、作ってみようと思い立ちましたが、ただの四角い座布団じゃ面白くないな思って。
それで何か新たな機能を持たせて、テンションの上がるものとは…?と一瞬だけ頭を悩ませた結果、三角形か六角形が可愛い…という考えから、「テントを飾るガーランドに変身する座布団」という結論に至りました (笑)。
カラフルでポップなシットマット。
—— 構造も工夫されていますね。
AYANEN:よく見ると雑で縫い目はガタガタですが…、中に小さな強力磁石を入れて、くっつけると座布団に、磁石を離せばガーランド (花や葉、旗などの飾りを、ヒモなどでつないだ装飾アイテム) になるようにつくりました。
MYOGにハマったきっかけ
夫に誘われTRAILSのMYOG SCHOOLに参加したのが最初のきっかけ。SCHOOLでULコンテナを作って、自分でもできるんだと嬉しくなり、同時にもう少しカラフルでポップなデザインのアイテムも作ってみたいと思い、生地と糸を購入。夫が購入したミシンを借りてMYOGを始める。勢いで自身のYouTubeチャンネルのロゴを使ったタグまで発注。
ウエストバック / YAN
ウエストバック (ボディ:Gossamer Gearのウェストベルト。重量:329g(付属のパック抜き)。製作時間:1時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
YAN:名前は、「泥棒パック」改め「コソドロパック」と名付けたものです。
普段、エコバックを首に引っ掛けて背中にまわして使ったりしていたんですが、まあ当然ですが持ち手から手を外すと首が絞まるんです(笑)。これを解消したくて、たまたまあったGossamer Gearのウエストベルトをちょっと加工して、アタッチメントを付けてそれを解消しました。
鮮やかなカラーリングも印象的なキルト。
—— どんなところを工夫しましたか?
YAN:持ち手のあるエコバックなら何でも使えるようになっています。フレーム用の穴があいていたのでステンレス加工でキャリーも作りました。
MYOGにハマったきっかけ
最初はスタッフサックを作ってみて、自分でできるじゃん!と思った。その後にストレッチナイロンの生地を買って、ベースレイヤーのTシャツも作ったりしはじめた。他にも既製品のカスタマイズなんかもちょこちょこやっている。
おにぎりケース / KANEYAN
おにぎりケース (ボディ:ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック・ハイブリッド 3.18oz。リフレクティックス。重量:21g/1個。製作時間:2週間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KANEYAN:このおにぎりケースを作った理由は「冬場って時間がたつとおにぎり固くなるよね。おにぎりケース作ったら?」と知人との会話がきっかけです。
工夫した点はデザインと大きさです。デザインはおにぎりを模したものとし、大きさはコンビニ各社のおにぎりを実際に計測し、コンビニ大手3社のおにぎりは収納できるように設計しました。
2種類の味を楽しみたいから、2個製作。
—— 他にはどんなところを工夫しましたか?
KANEYAN:工夫したということではですが、1個だけだと昆布のおにぎりしか食べられないので、鮭のおにぎりも食べたいのでもう1個つくりました (笑)。
MYOGにハマったきっかけ
小さい頃から、ものをつくるのは好きだった。最初のMYOGは、自分は体が大きいので、自分の体に合ったビヴィを作ろうと思ったのがきっかけ。その後、GARAGEを訪れて、いろいろと相談に乗ってもらって、バックパック、ハンモック用のアンダーキルトなど、いろいろとMYOGをするようになった。
カメラバッグ / TAKE
カメラケース (ボディ・フラップ:ナイロンオックス (ハイパロン)、吹き流し:シルナイロン 30D。重量:188g。製作時間:2週間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
TAKE:1回目のMYOGer NIGHTで、MYOGしたカメラバックの1作目を持ってきたのですが、これは2作目のものです。
1作目はカメラ本体サイズにぴったりと作りすぎ、出し入れに苦労したため、今回は交換レンズ1本も入るサイズに拡大しました。重さ対策として斜め掛けではなく両肩で背負うチェストリグタイプにしました。
MYOGer NIGHT#03で「UL CLASSIC」賞を受賞したカメラバッグ
—— 他にどんなところを工夫しましたか?
TAKE:はじめは芯材を入れずに作ったのですが、出し入れしづらかったので、後から芯材を付け足しました。芯材にはフードコジーを作るときに買った薄手の銀マットを使いました。そんな形で、1作目に感じた不満をひとつずつ改良して作りました。
MYOGにハマったきっかけ
使っていたカメラケースがボロボロになり、自分で作ったみようと思ったのがMYOGしようと思ったきっかけ。既製品では自分のカメラのサイズにぴったり合うものがなかったので、それならMYOGしてみようと思った。
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