TRIP REPORT

WOMEN HIKE John Muir Trail | #03 JMTで使用したギア

2019.10.04
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文・構成:TRAILS 写真:提橋真由美、伊藤範子、原靖子、TRAILS

『WOMEN HIKE John Muir Trail』の第3弾(最終回)は、キャンピング編。3人の女性ハイカーが、JMTのウィルダネスのなかで、どのような装備で野営し、生活したのでしょうか。

2回目のJMTとなる提橋真由美さん(さげちゃん)は、昨年の経験値があるためか、必須アイテムというよりも、これがあると便利、これがあると快適、という生活の知恵的なモノが印象的でした。

また、初めてのJMTとなる原靖子さん(やっちゃん)と伊藤範子さん(のりちゃん)は、キャンピング・ギアについては、初めてのJMTだからこそ味わいたい開放的なスタイルと、一方で初めてだからこそ安心できる安眠ギア、というバランスをうまくとったようです。

三者三様のギア、そしてJMTだから持って行ったギアなど、興味深い内容です。3人には、全ギアのリストともに、特に役立ったギアをピックアップしてもらいました。

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やっちゃんとのりちゃんは、開放感重視でタープをチョイス。ちなみに、やっちゃんは今回のJMT用に初のシェルターとしてタープを購入した。



女性ハイカー3人の全装備と役立ったギア



■さげちゃん
<全装備>
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【Backpack】
Hyperlite Mountain Gear / 2400 Windrider
【Shelter & Sleeping gear】
[シェルター] finetrack / Zelt 2 Long, [スリーピングバッグ] Highland Designs / Down Bag 4th Edition, [スリーピングマット] Therm-A-Rest / RidgeRest SOLite small, [グラウンドシート] SOL / Emergency Blanket 1, [枕] NEMO / FILLO ELIET
【Clothing】
[レインウェア] ARC’TERYX / BETA LT JACKET, mont-bell / ストームクルーザーパンツ, [インサレーション] Highland Designs / Superlight Down Jacket, THE NORTH FACE / THUNDER PANT, [ミドルレイヤー] 山と道 / Merino Hoody, [ウインドシェル] Patagonia / Houdini Jacket, [ロングパンツ] HOUDINI / Swift Pants, [ベースレイヤー] mont-bell / スーパーメリノウールL.W.タイツ, [帽子] Patagonia, 山と道 / Mesh Cap, [ソックス] injinji / Outdoor Midweight
【Cooking & Drinking gear】
[ストーブ] SOTO / AMICUS, [クッカー] if you have / Pound Cup, [カトラリー] Wildo / Fold a cup, MSR / Spork, [水筒] SmartWater, Platypus / SoftBottle 1L, [浄水器] Sawyer / Sawyer mini, [ベアキャニスター] Bear Vault / BV500
【Others】
[シューズ] ALTRA / LONEPEAK 3.5, [スパイク] GRIVEL / Spider, [トレッキングポール] Helinox / TL-120ADJ, [ヘッドライト] mont-bell, PETZL / e+LITE, [ヘッドネット] SEA TO SUMMIT / Nano Mosquito Headnet, [日焼け止め] SHISEIDO / ANESSA パーフェクトUV スキンケアミルク, [虫除けスプレー] REPEL DEET 100, [化粧品] アイブロー、アイライナー、コンシーラー、チーク, [サコッシュ] WANDERLUST EQUIPMENT / KHAMPA LA PACK, [その他] エマージェンシーキット、リペアキット、洗面セット、コンタクトレンズ、モバイルバッテリー、ソーラーパネル、カメラ用一脚など

<役立ったギア-1 ソーラーパネル>
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中央上部にあるのがソーラーパネル。ちょっとした休憩の時間にも、パネルを太陽に向けて充電をした。

「Amazonで買った出力5ワット、100グラムちょいの薄いソーラーパネルです。長めの休憩の時は、iPhoneやカメラバッテリーを直接つないでいました。小型のものなので1時間くらい充電しても、iPhoneが数%アップ、カメラも十数枚撮影できるようになった程度。でも、機器がまったく使えなくなるよりは、はるかにいいじゃないですか。晴れが多く日照時間も長いシエラの環境では気持ち的にもラクでした」

<役立ったギア-2 Ziplock>
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さげちゃんが自分で考えてひとまとめにした、ウォーターセット。

「川や湖の水をまずZiplockを全開にしてすくってから、プラティパスやペットボトルに入れていました。1回すくうだけでボトルが満杯になるのでとにかくラク。間口の大きいボトルを持っていくことも考えたのですが、浄水器が付けられないのと、重量も重くなるのでやめました。底にマチがあるタイプは洗濯用のバケツです。折たたみの洗濯用バケツより軽くて便利でした」

■やっちゃん
<全装備>
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【Backpack】
Hyperlite Mountain Gear / 3400 Windrider
【Shelter & Sleeping gear】
[シェルター] Gossamer Gear / Twinn Tarp, [スリーピングバッグ] NANGA / UDD BAG380, [スリーピングマット] KLYMIT / Inertia O Zone, 山と道 / UL PAD 15S, [ビビィ] SOL / Escape Bivvy, [グラウンドシート] SOL / Heatsheets Survival Blanket 2
【Clothing】
[レインウェア] Teton bros / tsurugi jacket, THE NORTH FACEのレインパンツ, [インサレーション] mont-bell / US ダウンプルオーバー, [ウインドシェル] Patagonia / Houdini Jacket, [ベースレイヤー] mont-bell / スーパーメリノウール, [帽子] CAYL, [グローブ] Black Diamond, [ソックス] injinji, smartwool
【Cooking & Drinking gear】
[ストーブ] Primus, [クッカー] EVERNEW / Ti Ultra-Light Cooker, [カトラリー] MSR, [浄水器] Sawyer / Sawyer Micro Squeeze Water Filter, [ベアキャニスター] Bear Vault / BV500
【Others】
[シューズ] ALTRA / TIMP TRAIL, [サンダル] LUNA SANDALS / Venado, [スパイク] HILLSOUND / Trail Crampon, [トレッキングポール] Helinox / TL-120ADJ, [ヘッドライト] Black Diamond, PETZL / e+LITE, [ヘッドネット] 不明, [日焼け止め] SHISEIDO / ANESSA, [スキンケア] MACリップクリーム、Vaseline 、化粧水, 歯ブラシ、化粧落とし、MACファンデーション, [サングラス] Eyevol / CONLON II, [その他] カメラ、コンパス、エマージェンシーキット、リペアキット、モバイルバッテリーなど

<役立ったギア-1 Gossamaer Gear / Twinn Tarp(ゴッサマーギア / ツイン・タープ)>
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軽量ながらも長辺は297センチメートルと長く、居住性も高い。

「テントと違って開放感が満点! 寝てる時も星空を見ることができたのは最高でした。国内のテント場だと隣に誰かいたりしますが、こっちは誰もいないので見られる心配もない。外との一体感も感じられて、窮屈さがなくノンストレスでした。居住性の高さのわりに242グラムと軽くて、とても重宝しました」

<役立ったギア-2 KLYMIT / Inertia O Zone(クライミット / イナーシャ・オゾン)>
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普段から使い慣れたエアマットを持っていくことで、熟睡の毎日を送ることができた。

「準備段階で、エアマットは穴があいてしまった時に修理できないからやめたほうがいい、と多くの人に言われたにもかかわらずいつも使っているエアマットを選びました。スリーピングマットはすでに複数持っていて、これ以上増やしたくなかったんです。でも、おかげで爆睡の毎日でした。こういう長旅の時は、やっぱり使い慣れたものが一番だなと実感しました。もちろん、穴があいた時の対応策、リスクヘッジは必須ですけどね」

■のりちゃん
<全装備>
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【Backpack】
Hyperlite Mountain Gear / Porter 3400
【Shelter & Sleeping gear】
[シェルター] Trail Bum / CT Tarp, [スリーピングバッグ] CUMULUS / X-Lite 300, [スリーピングマット] Big Agnes / Third Degree Foam Pad 122, [ビビィ] As Tucus / Millaris Bivy Sack, [グラウンドシート] ALEX / Picnic Sheet(SOLカスタム)
【Clothing】
[レインウェア] Teton Bros. / Tsurugi Light Jacket, Answer4 / NeoShell Pants, [インサレーション] ARC’TERYX / Cerium Hoody, Highland Designs / Down Bib Pants, [ウインドシェル] atelier Blue bottle / Hiker’s JACKE, [ベースレイヤー] Patagonia / Merino Air Hoody, [帽子] ELDORESO / Remedy Cap, [ソックス] atelier Blue bottle / Hiker’s Socks
【Cooking & Drinking gear】
[ストーブ] SOTO / WindMaster SOD-310, [クッカー] FREELIGHT / Titanium Pot UL-600HR, [カトラリー] Tritensil Spoon & Folk/Knife mini, [浄水器] Sawyer / Sawyer mini, [ベアキャニスター] Bear Vault / BV500
【Others】
[シューズ] ALTRA / LONEPEAK, [サンダル] 自作ワラーチ, [スパイク] CAMP / Ice Master, [トレッキングポール] Komperdell / c3 Carbon Pro, [ヘッドライト] Milestone / MS-B1, PETZL / e+LITE, [ヘッドネット] SEA TO SUMMIT / Nano Mosquito Headnet, [スキンケア] リップクリーム、ワセリン, [サコッシュ] RawLow Mountain Works / Tabitibi Tote Cuben Hybrid, [サングラス] FLOAT / URBAN GALAXY, [その他] コンパス、エマージェンシーキット、リペアキット、モバイルバッテリーなど

<役立ったギア-1 As Tucas / Millaris Bivy Sack(アストゥカス / ミラリス・ビビィサック)>
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ショーラーの高品質な生地を使っているため、肌触りも抜群。


「まず、165グラムとすごく軽いのがいいですね。あと、寝る時間になっても蚊がブンブン飛んでいたので、安眠においてもこのビビィはすごく活躍してくれました。顔の部分にはメッシュもついているので圧迫感もありません。SOLのEscape Lite Bivvy(エスケープ・ライト・ビビィ)と迷ったけど、こっちを持っていって正解でした」

<役立ったギア-2 自作ワラーチ>
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1日中歩き、テント場についてワラーチに履き替えた時の解放感は最高。

「深くて長い渡渉のあと、そのまま歩いていたらシューズの中に水がたまっていて不快だったんです。でも、試しにワラーチに履き替えたらとても快適で。その後も渡渉がつづくことがわかっていたので、そのままワラーチで川を渡ったら、クールダウンもできて気持ち良かったんです。もちろん水深がとても浅く、流れも緩やかな川に限ってですけどね」



3人とも持っていったスノーギア



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雪上に道をつくるメンテナンスクルー。

今年のカリフォルニアは、年始から記録的な積雪量になっていた。その件に関しては、今年2月のTRAILSとHiker’s Depot共催のイベント『LONG DISTANCE HIKERS DAY 2019』でも話題にあがり、ハイカーに注意喚起を行なっていた(詳しくはコチラ)。

その情報を3人とも知っていたため、残雪に備えてそれぞれスノースパイクやチェーンスパイクを携行していた。

ただ、彼女たちが旅した8月末はかなり雪も減り(残ってはいた)、メンテナンスクルーが道を作っていてくれたこともあり、スノーギアを使用したのはさげちゃんが1カ所のみ、やっちゃん & のりちゃんは使用する機会がなかった。

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2年でJMTの大部分を歩いたさげちゃん。次はどこのトレイルを歩きにいくのでしょう。

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初めてのJMTを経験し、ロング・ディスタンス・ハイキングの魅力を身をもって実感したやっちゃん & のりちゃん。

女性ハイカー3人による、JMTのセクションハイキング3部作、いかがだったでしょうか。

なかば勢いでJMT行きを決断し、無事にアメリカに到着するも歩き始める前にドタバタ劇があり、でもそんなハプニングを経て、3人ともそれぞれJMTを最高に楽しんでいた姿が、とても旅らしくてグッときました。

TRAILS編集部crewも、彼女たちのパッションやピュアな旅話を聞いて、あらためてロング・ディスタンス・ハイキングに出かけたくなりました。彼女たちの次なる旅にも期待しています。

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トレイルズ

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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