【延伸区間オープン ! 】信越トレイルが全長110kmのトレイルに生まれ変わります。
文・写真・構成:TRAILS
今週末の9月25日 (土) に、信越トレイルの延伸区間 (Section7〜10) が、ついに正式オープンする。
延伸区間は、現在の東側の起点である天水山から苗場山までの約40km。これにより、信越トレイルは、全長110kmのトレイルとして生まれ変わる。
延伸区間は、天水山〜苗場山までの約40km。
現在の信越トレイルが全線開通したのは、2008年のこと。当初から延伸の計画はあり、TRAILS編集部もその実現を今か今かと心待ちにしていた。そしてこのたび、全線開通から13年の歳月を経て、ついに延伸が実現するのだ。
延伸区間は、里山のブナの森がメインだったこれまでの信越トレイルとはかなり様相が異なる。新しい区間には、秘境・秋山郷 (あきやまごう) の里の景色から、標高2,145mの苗場山の高山の景色まで、さまざまな風景が広がっており、里歩きも山歩きも楽しめるトレイルとなった。
秋山郷にある小赤沢集落。
TRAILSは、延伸区間のルートが決まる前にハイカーに歩いてもらうモニターツアーの企画・運営を実施。さらにルート決定後は、他のハイカーに先がけ、延伸区間を踏破する最初のハイカーとして歩かせてもらった。
オープンを目前に控えた今、延伸区間を歩きたいと思っているハイカーのみなさんに向けて、あらためてモニターツアーおよび踏破レポートの記事を紹介したい。そしてこれらの記事を、歩く際の参考にしてもらえればと思う。
延伸モニターツアー:ハイカーの生の声をトレイル作りに活かすために
2019年6月に開催したTRAILSと信越トレイルクラブによるモニターツアー。当時は、延伸区間のルート候補が複数存在していた。
モニターツアーでは、その最終候補に残った2パターンのルートを、2日に分けてハイカーたちに実際に歩いてもらった。そこで感じたハイカーの生の声を、そのまま信越トレイルのスタッフに届ける、という趣旨のイベントだ。
このモニターツアーの企画はTRAILS編集部からの提案を、信越トレイルクラブが受け入れてくれたことにより実現した。かねてよりTRAILS編集部では、トレイルづくりにハイカーの声を活かす仕組みを作りたい、と考えていた。それがひとつの形となったイベントであった。
踏破レポート (前編):苗場山〜小赤沢 (Section10)
延伸区間の踏破レポート前編は、新潟県側から信越トレイルのあらたな起点となる苗場山に登り、長野県側にある秘境・秋山郷へと下りていくセクションだ。
苗場山の上に広がる、幻想的な高層湿原が一番の見どころ。これだけ広大な湿原が山頂に広がっている山は、なかなかない。
山頂からの下山道を歩いていくと、いよいよ秘境・秋山郷の玄関口である小赤沢集落へと入っていく。
踏破レポート (中編):小赤沢〜新潟県妙法育成牧場 (Section8〜9)
中編は、秘境・秋山郷にある集落をつなぎながら歩く、里が中心の比較的平坦なセクションだ。
秋山郷を世に広めた旅人・鈴木牧之 (すずきぼくし) ゆかりの地から、4戸しかない小さな集落、廃校となった小学校を改築した宿でのテント泊、広大な牧場エリアまで。
里歩きをしながら、このエリアならではの歴史や文化、人々の営みに触れることができる。
踏破レポート (後編):新潟県妙法育成牧場〜天水山 (Section7〜8)
後編は、秋山郷を抜け、今までの信越トレイルへと接続する天水山 (あまみずやま) 山頂を目指すセクションだ。
牧場エリアを過ぎると中子 (なかご) 集落に入る。ジオパークに指定されている苗場山麓エリアならではの、河岸段丘をはじめとしたユニークな地形を体感しながら、ゴールの天水山に向かってブナ林のなかを登っていく。
里から山へと景色は移り変わっていく。里の魅力と山の魅力、両方を味わうことができる。
秋山郷にある石仏。トレイルを歩きながら、人々の営みや文化に触れることができる。
山から里へ、里から山へ。延伸区間には、まさにこれこそがロング・ディスタンス・ハイキングだ! と思える醍醐味が詰まっている。
日本のロングトレイルのパイオニアである信越トレイルは、この延伸によってさらに魅力が増し、より日本らしいロングトレイルへと進化する。
9月25日 (土) は記念すべき日だ。オープン後、ぜひ多くのハイカーに歩いてほしい。
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