My Best Articles 2025 | #03 トレイル・カルチャーを刺激する30人と、読者が選んだ2025年の記事TOP10ランキング
『My Best Articles 2025』の最終回。2025年のTOP10ランキングの発表です!
#01と#02では、トレイル・カルチャー (※) の未来を、それぞれの最高の個性をもって刺激してくれるであろう総勢30人が選んだ、ベスト3の記事を一挙に公開しました。
この最終回では、その30人が選んでくれたすべての記事を集計し、さらに読者投票も加算して (*)、TOP10ランキングにして発表します。
多くの人が選んだ記事はどれだったのでしょうか。9位タイから順番に発表していきます。
* 集計方法:独自のルールで投票数をスコア化して集計。1位に選んでくれた記事を10ポイント、同様に2位は3ポイント、3位は1ポイントを加点して、各記事の総合スコアを算出。
2025年のマイ・ベスト・アーティクルを選んでくれた30人
マイベスト記事を選んでくれたのは、僕たちTRAILS編集部がリスペクトし、独自の編集観点で選出させていただいたTRAILS的感性でイケてる人々。メーカー、ショップ、メディア、書店、編集者、ハイカー、ランナー、釣り人、旅人、クリエイター、トレイルの作り手の方々など、総勢30名です。


さらに今年も昨年同様、読者の方々にも投票に参加いただき、今年の「BEST記事TOP10」を決定します。
#01と#02で、30人それぞれのベスト3の記事を紹介。そして今回の#03で、読者投票も踏まえた集計結果をもとに、2025年の記事ランキングTOP10を発表します。
記事タイトルをクリックすると該当記事をご覧になれます。
第9位 (タイ) :MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア#03~ #05

TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) で開催しているMYOGerたちが集まり、クラフトビール片手に、MYOGしたものを発表したり、MYOGを肴にワイワイ盛り上がる「MYOGer NIGHT」。このイベントで発表されたMYOG作品のレポート。まさに「MY OWN (自分のため)」だけにこだわった、ユニークなギアを楽しんでほしい。
千代田 高史 (MoonlightGear):「自分たちも、まず自分たちが欲しいものという欲求でもの作りを進めていますが、そのバリエーションをさまざまな形としてみれるのが面白いし、みんな変なこと考えてるなーと勉強になりました。素晴らしいですね。」
TRAILS読者:「MYOGer NIGHTは、自分をMYOGに再び目覚めさせてくれたイベント!」
第9位 (タイ) :パシフィック・クレスト・トレイル (PCT) | #11 トリップ編 その8 DAY141~DAY168 by Teenage Dream(class of 2022)

ハイカーが自らのロング・ディスタンス・ハイキングの体験談を綴る、ハイカーによるレポートシリーズ。9位に選ばれたのは、このシリーズでパシフィック・クレスト・トレイル (PCT) について書いてくれているトレイルネームTeenage Dreamによる、トリップ編の最終回。山火事の影響よる想定外のラストが、多くの人の印象に残った。
TRAILS読者:「思い描いていたゴールまで歩けないもどかしさ、やるせなさを感じ、なぜ歩くのか?なぜゴールまで歩きたいのか?を自分に置き換えて考えさせられた。」
TRAILS読者:「PCTゴール目前に、山火事でスキップをせざるを得なかったハイカーたちそれぞれの判断に胸がキュッとなりました。半年間目指してきたゴールを失うことが身に迫り、自分だったらどうするだろうと考え込みました。そんな状況は、2022年のPCTだけかもしれないし、これからも同様のケースがあるかもしれません。PCTの貴重な記録として忘れ難い記事でした。」
第8位 :TRAIL FOOD #12 | フィッシング × トレイルフード by 河野辺元康

「トレイルで、実際みんな何を食べているの?」という、みんなのリアルなTRAIL FOOD (トレイルフード) をレポートする連載。この回で、ガレージメーカーのRSR主宰であり、フライフィッシャーである河野辺さんが紹介してくれたのは、釣りのためのトレイルフード。「カレーメシ」が画期的だったポイント、駄菓子のパンチコーラのTIPSなどが語られている。
石川 寛樹(カムパネラ):「簡単に作れるトレイルフードは、参考にさせていただいている。どれも美味しそうだし、試してみたいものばかり!これもやはりセンスだろう。日本ならではの行動食や、簡単な調理でできるものは、渓泊の楽しみの一つとして食事のバリエーションが増える。」
TRAILS読者:「以前、ジョン・ミューア・トレイルを歩いた際、現地のトレイルフードが合わず苦労しました。アウトドアフリークの皆さんが何を好んで食べているのかがとても気になる、私が大好きな連載の一つです。」
第7位:栃木 茨城・那珂川 コンスタンティン & TRAILS Crewのパックラフティング2DAYS | パックラフト・アディクト ※全2回

TRAILSアンバサダーのコンスタンティンが来日した際に、TRAILS Crewが通うホームリバーのひとつである那珂川へと誘った旅。関東屈指のツーリングリバーの那珂川を、メロウにパックラフティング。河原でのキャンプはもちろん、伝統的な鮎のやな (簗) や鮎の塩焼きを楽しんだり、那珂川を味わいつくしたレポート。
堀川 臣樹 (PADDLE QUEST)「秋には鮭が遡上する清流で、短いながらもキャンプツーリングに最適で、東京のパドラーにもリバーツーリングとして人気の那珂川。夏に那珂川に面積日本一という「やな場」あるということをこの記事で初めて知りました。オランダと日本、海を跨いだメンバーの川での国際交流を楽しませてもらいました。」
河野辺 元康 (RSR):「那珂川は釣りのホームリバーですし、河野辺家のルーツを辿ると那珂川の畔に端を発しているようなので外せません。その上、パックラフトの川下りは一度やってみたいと思っていたアクティビティなので、この記事を選びました。」
第6位:私的ロング・ディスタンス・ハイキング考 | #05 パンケーキチャレンジ

TRAILS – HIKING FELLOWの根津貴央による、自身の私的なロング・ディスタンス・ハイキングについての、考え方の遍歴と今を綴っていく連載。今回、選ばれたのは、PCTで訪れたローカルのトレイルタウン、セイアドバレーでの「パンケーキチャレンジ」という、大食いチャレンジのエピソード。
南 圭介 (トランスランナー):「初日はチャレンジ時間が終了していて、翌日、満を持してチャレンジ開始。チャレンジパンケーキはまるでクッション!視覚でヤラれてギブアップ。パンケーキチャレンジ、最高です!(笑)」
TRAILS読者:「自分は、PCTで最も心残りだったことの一つとして、セイアドバレーでのパンケーキチャレンジをしなかったことがあります。しかし当時、写真を見てあまりのデカさにビビってしまった自分がいました。しかし根津さんは『あれ? オレ、いけるんじゃないか?』とチャレンジ。そして見事、失敗 (笑)。最高のエピソードでした。」
第4位 タイ:信越トレイル「Trail Maintenance Meeting 2025」 | 若い世代へのトレイル整備の継承

TRAILSがトレイル整備に関わり始めた2013年と比べ、トレイル整備に関心を持つハイカーが非常に多くなった。一方、実際のトレイル整備の現場では、高齢化による今後の知恵や技術の継承の問題や、マンパワー不足、環境保全を目指したよりよい整備方法の確立など、課題もいろいろある。そんなトレイル整備の現状に、現場からの視座を投げかけてくれるレポート。
涌井 健策(Number):「CCC (※米カフォルニアの州政府自然保護部隊、カリフォルニア・コンサベーション・コープス) の存在を、この記事で初めて知りました。ホワイトハウス、ウォール街、シリコンバレーだけでは決してわからないアメリカの『良心』のような存在だな、と。トレイルの整備の重要性が叫ばれて久しいですが、こういった活動、そしてレポートの大切さを再認識させられました。」
TRAILS読者:「トレイルを歩いていると、『歩かせてもらっている』という感覚で、そこを整備してくれた、会ったこともない誰かに感謝したくなる道に出会うことがあります。重機は使わない『ハンドメイドなトレイル整備』を来年はぜひ経験したいです。」
第4位 タイ:LONG DISTANCE HIKER #21 櫻井雄介・奈緒 | 夫婦でのロング・ディスタンス・ハイキング

ロング・ディスタンス・ハイカーの実像に迫る連載。櫻井さんたちは、ジョン・ミューア・トレイルで出会ったことをきっかけに、ご結婚されたハイカー夫婦。その後、夫婦二人でPCTを約半年かけてスルーハイキングした。夫婦でのロング・ディスタンス・ハイキングとはどんな旅なのか?二人のハイカーとしてのあり方に、多くの共感が集まった。
石丸 隆司 (ロング・ディスタンス・ハイカー):「『LONG DISTANCE HIKER』の連載は、どのハイカーの話もグッとくるから1位なんて決めれない、1番好きな記事です。」
TRAILS読者:「『LONG DISTANCE HIKER』の連載が好きです。どんなきっかけでロングトレイルに向かったのか。歩いている時に感じたこと。帰国してからの変化。憧れと称賛をもって、いつも読んでいます。夫婦や誰かと一緒に歩くことの、素晴らしさも感じた記事でした。」
では、いよいよここから『TOP3』の発表です!
トレイル・カルチャーの未来を刺激する30人と、読者によって選ばれた、2024年のTRAILSの記事TOP3は?
第3位:Fishing for Hiker | 日本の伝統釣法「テンカラ」が世界中のULハイカーに与えた衝撃 – #01 Tenkara USAの誕生

第3位に選ばれたのは、 ” テンカラ ” を再発見し、世界中のULハイカーに新たなムーブメントを引き起こすきっかけとなったアメリカのテンカラ・ロッドメーカー「Tenkara USA」 の記事。
今年の特集「Fishing for Hiker」の第一弾の記事でもあり、ここからこのプロジェクトが始動した。この記事をきっかけに、テンカラを始めてみたいという読者の声も、多くいただくようになった。
森 卓也 (蔦屋書店):「釣りをしない私も『テンカラ』という言葉は、独特な音の響きで耳に残っていました。テンカラがULとの邂逅で世界言語になっていること、日本らしい引き算の美学がワールドワイドに受け入れられていることが印象的でした。」
TRAILS読者:「テンカラという釣り方があることは知っていたけど、アメリカでの認知やTenkara USAというブランドの立ち上がりについては、これまで知りませんでした。熱いストーリーをまとめて読むことができて、惹き込まれました!」
第2位: take less. do more. 〜 ウルトラライトとMAKE YOUR OWN GEAR by グレン・ヴァン・ペスキ | #08 グレンによる最新のプロダクト、超軽量シェルター「Whisper」

第2位にランクインしたのは、Gossamer Gearのファウンダーであり、ウルトラライト (UL)、MAKE YOUR OWN GEAR (MYOG)、およびULガレージメーカーのゴッドファーザーである、グレン・ヴァン・ペスキによる連載。
世界中でも他では読めないような、貴重なULのエポックについての証言となっている連載。
軽さが当たり前になった今、ULとMYOGにもともと宿っている実験性や革新性を呼び起こしてくれる内容に、多くの人が興奮を伴ったリアクションをしてくれた。
土屋 智哉(Hiker’s Depot):「『軽量化には必ずと言っていいほど妥協が伴う』というグレンの言葉はULの本質を突いている。ULにあれもこれもを求めてはいけない。それらは道具に求めるのではなく、ハイカー自身の知恵と工夫に求めるべき部分だ。ULに興味関心をもつ全てのハイカーに、ULのゴッドファーザー、グレンの言葉が少しでも刺さってくれたら。」
仲 美希雄 (off craft):「グレンさんが初めて来日された2010年、その時に奥秩父主脈縦走をした様子も、かつて寺澤さんのブログで拝見しておりました。昨今、日本では手に入らないULギアの話が多いですが『無いものは作る』という考えもULの一部だと思ってる自分には、大好物でした。」
松本 和也 (BLUE LUG):「テーラーメイドなギア。自分にとってはスペシャルだけど、他人にとってはなんじゃこりゃなギア。個人のためだった『なんじゃこりゃ』が、意外と共感を得て、世の中に流通してく様を、自転車業界でもよく見かける。刺激をいただきました!」
TRAILS読者:「この連載では、ULのエポックになったギアの背景を知れるのが面白い。この記事のWhisper以外にも、現在のULシーンでも定番になっているLT5の開発ストーリーも興味深かった。」
第1位:Fishing for Hiker | 日本の伝統釣法「テンカラ」が世界中のULハイカーに与えた衝撃 #03-#04 日本のULハイカーとテンカラの出会い / 「山より道具」寺澤英明 (前編・後編)

2025年の栄えある第1位は、「Fishing for Hiker」の特集記事での、ULレジェンド的なブログ「山より道具」の寺澤英明さんを招いた対談。
この記事では、アメリカのULシーンの最先端で「テンカラ=UL」と盛り上がったことをきっかけに、日本のULハイカーたちがテンカラを再発見し、ULの新しい拡張性を見つけたときの興奮が語られている。
テンカラには、ULの本質との親和性の高さがある。この記事は、黎明期をリアルタイムで体験したULハイカーやガレージメーカーだけでなく、当時を体験していないULハイカーや釣りをこれからやりたいというハイカーまで幅広く支持され、最も多くの票が集まった。#01、#02で登場したコメントも含めて、BEST記事に選んだ理由を紹介したい。
三浦 卓也 (HARIYAMA Productions):「日本にULの情報が乏しかった時代に『山より道具』の記事は、僕にとっての教科書でした。この記事で語られる農ポリやGoLite、そしてテンカラへの接続は、単なる軽量化の追求ではなく、自然に深く入り込むための『合理的最適化』というULの本質を、再認識させてくれました!道具を使い倒し、その先にある野営の素晴らしさを知る、師の言葉は心に響きます。」
石川 寛樹(カムパネラ):僕は2010年頃、寺澤さんのブログ『山より道具』を読んでULハイキングを知り、源流フライの渓泊に応用してみたのが始まり。この記事にあるように、テンカラとULの親和性は高い。究極のシンプルである。テンカラは、ある種制限された中に遊びの醍醐味があると思った。フライフィッシングは道具立て。テンカラは単純明快。それがいい。」
松田 正臣 (HERENESS):「日本のULハイカーにテンカラが広がるきっかけは、米国からの逆輸入だった。そうしたテンカラのエピソードにとどまらず、2010年前後のULシーンの雰囲気が伝わる楽しい対談。」
TRAILS読者:「ハイキング視点でのテンカラ釣行のギアリスト、寺澤さんとTRAILSとの対談内容は、私自身が『テンカラを始める!』と決めるのに十分すぎる内容でした。」
* * *
『My Best Articles 2025』、これにて完結です。トレイル・カルチャーの刺激する30人の方々、投票してくれた読者の方々、ご協力ありがとうございました。
そしてあらためて、この1年TRAILSを支えてくださったみなさま、ありがとうございました。TRAILS編集部一同、すべての方々に感謝します。
TRAILSは、2026年も新たな企画や仕掛け、試みにトライし、仲間たちと協力しながら、より一層、日本のトレイル・カルチャーを盛り上げていきます。
2025年もよい旅を!
Happy Trails!
※ トレイル・カルチャー:TRAILS(トレイルズ)は、トレイルカルチャーという言葉が未だ日本に存在しなかった2014年1月に、“本当におもしろくて、役に立つ、他にはない、リアルな情報” を合言葉に、インディペンデントでとんがったメディアを作るべく、日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンとして産声をあげました。それから有名無名を問わず世界中のコアな人たちにコンタクトをとり、Webメディアとしては異質とも言える、企画と編集に過剰にこだわる時代錯誤なスタイルを続けています。
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