TRAILS REPORT

My Best Articles 2022 | #01 トレイル・カルチャーの未来を刺激する30人と、読者が選ぶ2022年のベスト記事(前編)

2022.12.26
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2022年も残すところあとわずか。今年も読者の方々はもちろん、ハイカー、ランナー、パックラフター、そしてメーカー、メディア、ショップ、山小屋、トレイル関連の方々など、とにかくたくさんの方々にお世話になりました。

今年もTRAILSはハイキング、パックラフティング、ハンモックハイキング、ランニング、フライフィッシングをはじめ、さまざまなアクティビティを通じて、僕らなりの遊び方やその背景にあるトレイル・カルチャー (※) を発信してきました。

たとえば、連載記事をいくつか挙げると、信越トレイルとつながるトレイルとして開通した『あまとみトレイル』の3部作。ロングトレイルの最新情報や注目すべきトピックを発信する『ロングトレイルTOPICS』では、コロナ期におけるハイキングに欠かせない情報を提供しました。

 

『ロングトレイルTOPICS』では、TRAILSのアンバサダーであるリズも、アメリカの最新トレイル事情をレポートしてくれた。

また注目のハンモックや、個性あふれる周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載の『HAMMOCKS for Hikerシリーズ』全7回。本邦初公開の、『アリゾナ・トレイルのスルーハイキングレポート』全6回。ハイキングとパックラフティングを組み合わせた、旅感あふれる『釧路川スルーパドリング』などの記事もありました。

 

『釧路川スルーパドリング』では、バックパックに入れて持ち運べるパックラフトならではの特徴を活かした、5日間の旅を紹介。

そして、『国産カスタム・フライロッドのパイオニア MACKY’S CREEK』のシリーズは、長らく温めていたTRAILS初の釣りに関する特集記事。フライフィッシングの歴史から紐解き、証言録も交え、全6回を通してMACKY’S CREEKを徹底解剖しました。さらに釣り関連では、年末に田中啓一さんによるフライフィッシングの新連載もスタート。

 

マッキーさんこと宮坂雅木さん。マッキーズ・クリーク創業の場所である、東京・新富町の旧・店舗前の路地にて。

1年を通じて、TRAILSならではの “ここにしかないリアルな情報” をお届けできたのではないかと思います。

では、年末恒例の『My Best Articles 2022』をお楽しみください。


2022年のマイ・ベスト・アーティクルを選んでくれた30人


マイベスト記事を選んでくれたのは、僕たちTRAILS編集部がリスペクトし、独自の編集観点で選出させていただいたTRAILS的感性でイケてる人々。メーカー、ショップ、メディア、書店、編集者、ハイカー、ランナー、旅人、クリエイター、トレイルの作り手の方々など、総勢30名です。

 
さらに今年も昨年同様、読者の方々にも投票に参加いただき、今年の「BEST記事TOP10」を決定することにしました。

#01と#02で、30人それぞれのベスト3の記事を紹介。そして#03で、読者投票も踏まえた集計結果をもとに、2022年の記事ランキングTOP10を発表します。


土屋 智哉(Hiker’s Depot)



 
■ 第1位
フライフィッシング雑記 田中啓一 #01 消える道具

「最後の一文が深く沁みます。道具に使われるのではなく、使いこなす。そして行為の中で道具は意識されなくなっていく。自分自身そうでありたい、そうなりたい。道具屋が言うセリフではないのかもしれませんが、『消える道具』って良い言葉ですね」(土屋)

■ 第2位
信越トレイル トレイルメンテナンスツアー2022 | オープンしたばかりの延伸区間の整備

■ 第3位
ツール・ド・トモ (T.D.T) | 100mileのグループラン (井原知一の100miler DAYS 番外編)


上田 瑠偉(プロトレイルランナー)



 
■ 第1位
信越トレイル トレイルメンテナンスツアー2022 | オープンしたばかりの延伸区間の整備

「『受け取るばかりで、逆に与えたい気持ちが芽生えてくるんです』という、信越トレイルクラブの鈴木栄治さんの言葉が印象的でした。私自身も、トレイルランニングを通じて貴重で素敵な経験をさせてもらっています。そして、やはり同じように何かしたいという思いに駆られます」(上田)

■ 第2位
アリゾナ・トレイルのスルーハイキングレポート| by 河西祐史 a.k.a. Wonderer ※全6回

■ 第3位
HIMALAYA MOUNTAIN LIFE | GHT project 2022(トリップレポート)


尾崎 光輝(Jindaiji Mountain Works)



 
■ 第1位
国産カスタム・フライロッドのパイオニア MACKY’S CREEK(マッキーズ・クリーク) – その1 フライフィッシングの歴史 〜 「MACKY’S CREEK」誕生前夜 ※全6回

「フライフィッシング好きな父親の影響で、マッキーズ・クリークの7fの4番のロッドキットを自作したのは僕が20歳の時だった。ロッドメイキングのラッピング台やタイイングバイスが転がっているフライフィッシャーマンの家庭で育ったからね。フライロッドは自作、フライは自分でタイイングしろ、が当たり前だった。当時、周りではロッドビルディングどころかフライフィッシングをやってるやつは誰も居なかったけど。因みにこの自作ロッドは30年経った今でも現役で、今年も数匹の岩魚や山女を釣らせてくれた」(尾崎)

■ 第2位
TRAILS環境LAB | 松並三男のSALMON RIVER #16 鮭川村での3年間の振り返り(前編・後編) ※全2回

■ 第3位
TRAIL FOOD #01 | ULハイキング × トレイルフード by 尾崎光輝


根本 絵梨子(フォトグラファー)



 
■ 第1位
釧路川スルーパドリング | 全長100kmの釧路川をパックラフティングとハイキングでつなぐ旅 (前編)MKTを歩き釧路川へ ※全3回

「『水源から海まで』、というこの言葉を見ただけでやってみたい! と思った。摩周・屈斜路トレイルは何年も行きたいと思いながら行けていない場所。温泉、アイヌのコタンをいくつも通るトレイルだけでも魅力的なのに、パックラフトで釧路川の水源から海まで漕ぐなんて! パックラフトを始めたら、このルートを辿ってみたい」(根本)

■ 第2位
TRAIL FOOD #01 | ULハイキング × トレイルフード by 尾崎光輝

■ 第3位
2年振りに再会する仲間と歩くノーザン・シエラ|by リズ・トーマスのハイキング・アズ・ア・ウーマン#38


伊藤 二朗(雲ノ平山荘)



 
■ 第1位
HIMALAYA MOUNTAIN LIFE | GHT project 2022(トリップレポート)

「ヒマラヤ山脈の真っ只中を1,700kmにわたって続く道の物語。荒涼と広がる大地と、生きるために道を行き交う人々の姿に思いを馳せた。純粋に訪れてみたいという気持ちにさせられる」(伊藤)

■ 第2位
フォロワーゼロのつぶやき 中島悠二 #24 白へ

■ 第3位
アルバニア・ヴョサ川 ヨーロッパ最後の原生河川、パタゴニアの映画『Blue Heart』の川を旅する | パックラフト・アディクト ※全3回


尾日向 梨沙(編集者 / ライター)



 
■ 第1位
TRAILS環境LAB | 松並三男のSALMON RIVER #16 鮭川村での3年間の振り返り(前編・後編) ※全2回

「昨年、衝撃を受けた彼の連載記事。今年もやはり彼が気になって仕方ない。鮭川村での3年間がまとまっていてとてもわかりやすかったし、地元の方からの視点もあり、改めて素晴らしい出会いと活動だと思いました。鮭川村と、松並くんの今後にも注目したい」(尾日向)

■ 第2位
TODAY’S BEER RUN #11 | 里武士・馬車道 (馬車道)

■ 第3位
フォロワーゼロのつぶやき 中島悠二 #23 山の記憶


松島 倫明(WIRED)



 
■ 第1位
HAMMOCKS for Hiker | 開催直前! ハンモックハイカー9人のスタイル紹介

「ハンモック、気になります。『地上から少し浮く』ことの自由さ (地面が平らじゃなくても、濡れていても) に惹かれました。今度ぜひまずは拙宅の庭で始めたい」(松島)

■ 第2位
TRAIL FOOD #01 | ULハイキング × トレイルフード by 尾崎光輝

■ 第3位
MAKE YOUR OWN GEAR | クラフトビール用・ULホルスターベルト(MYOG・製作編&実験編) ※全2回


梅田 梓(編集者 / ライター)



 
■ 第1位
あまとみトレイル開通 – 信越トレイルとつながる200km #01 | ロングトレイルの成り立ち ※全3回

「飯縄山のふもとで暮らしているので、記事であまとみトレイルに関わる人の熱意を知ることができ、うれしかったです。10年先、20年先、ここにどんなトレイルカルチャーが築かれるのだろう。未来への期待と想像がふくらみました」(梅田)

■ 第2位
HAMMOCKS for Hiker | 開催直前! ハンモックハイカー9人のスタイル紹介

■ 第3位
MAKE YOUR OWN GEAR | クラフトビール用・ULホルスターベルト(MYOG・製作編&実験編) ※全2回


藤原 仁(摩周・屈斜路トレイル)



 
■ 第1位
釧路川スルーパドリング | 全長100kmの釧路川をパックラフティングとハイキングでつなぐ旅 (前編)MKTを歩き釧路川へ ※全3回

「摩周・屈斜路トレイルを歩いてからの釧路川スルーパドリング。屈斜路湖から釧路湿原を抜けて太平洋まで。町に寄って買い出ししたり、温泉に入ったり、まさにパックラフトを使った川旅ロングトリップ。読み応えありでした」(藤原)

■ 第2位
あまとみトレイル開通 – 信越トレイルとつながる200km #01 | ロングトレイルの成り立ち ※全3回

■ 第3位
信越トレイル トレイルメンテナンスツアー2022 | オープンしたばかりの延伸区間の整備


五十嵐 雅人(山と溪谷)



 
■ 第1位
HAMMOCKS for Hiker | 開催直前! ハンモックハイカー9人のスタイル紹介

「ハンモックを使ったハイキングを、メディアとして初めて発信したのはTRAILSだ。スタイルもアイテムも刺激的だった。それから数年経ってだいぶ浸透してきたようだが、まだまだ一部の人のもので、ふつうにテント場で見かけるということはない。でも、もうすぐそこだと思う。火が着くのは。ハンモックハイカー用のスペースを設ける山小屋が来シーズン現れると聞く。新しい風景が見られるのは、もうすぐそこだ」(五十嵐)

■ 第2位
HIMALAYA MOUNTAIN LIFE | GHT project 2022(トリップレポート)

■ 第3位
It’s a good day! #04 | テント場のセンチメンタル


井原 知一(100マイラー)



 
■ 第1位
TRAILS環境LAB | 松並三男のSALMON RIVER #16 鮭川村での3年間の振り返り(前編・後編) ※全2回

「サケが日本からオホーツク海を経て、北太平洋からベーリング海に移動し、その後、アラスカ湾とベーリング海を回遊して、そこから北太平洋を渡りふたたび戻ってくる。総距離3万kmくらい泳ぐということを知り、サケも僕と同じウルトラな人生を送っていることがわかってから、サケに興味を持ち始めました。松並さんが3年間サケと共に鮭川村で活動された活動は、素晴らしいです」(井原)

■ 第2位
ロングトレイルTOPICS #01 | コロナ期のハイキング最新情報 by リズ・トーマス(2022 Feb) ※全5回

■ 第3位
LONG DISTANCE HIKERS DAY 2022 イベントレポート① | NEW YEAR TOPICS ※全3回


ルーカスB.B. (PAPERSKY)



 
■ 第1位
HIMALAYA MOUNTAIN LIFE | GHT project 2022(トリップレポート)

「私はこれまでいろんなトレイルを歩いてきましたが、私が興味を惹かれるのは、それぞれのトレイルの背景にある独自性やストーリーです。その土地固有の文化や自然が、トレイルとどのような関係があるのかについて、興味をそそられるのです。GHT projectからは、ヒマラヤへの愛情を感じます。写された素敵な写真には、文化的な価値もあります。GHTはとてもユニークで、多くの人を魅了するトレイルだと感じました」(ルーカス)

■ 第2位
アリゾナ・トレイルのスルーハイキングレポート(その1)| by 河西祐史 a.k.a. Wonderer ※全6回

■ 第3位
あまとみトレイル開通 – 信越トレイルとつながる200km #01 | ロングトレイルの成り立ち ※全3回


春日潤也(モデル / B.S.K.Kプロデューサー)



 
■ 第1位
フライフィッシング雑記 田中啓一 #01 消える道具

「この記事を読み終えた時に、スッと心が自然と納得していた。物に対しての向き合い方に。使用している時にはそれの価値を考えてないんだよな、 使うことに集中してるんだよなって。買うまでには色々と調べたり、比べてみたりするけど……納得」(春日)

■ 第2位
国産カスタム・フライロッドのパイオニア MACKY’S CREEK(マッキーズ・クリーク) – その1 フライフィッシングの歴史 〜 「MACKY’S CREEK」誕生前夜 ※全6回

■ 第3位
TRAILS環境LAB | 松並三男のSALMON RIVER #16 鮭川村での3年間の振り返り(前編・後編) ※全2回


佐々木拓史(patagonia)



 
■ 第1位
HIMALAYA MOUNTAIN LIFE | GHT project 2022(トリップレポート)

「久しぶりのヒマラヤのレポート、待ってました! 来年GHTの一部をセクションハイクしに行く身としては、親身になって興味深く読みました。予想以上に厳しいルートからプランを変更しても、旅そのものを楽しむ様子は素晴らしいし、写真と文章が旅心を刺激します。旅のコンセプトがとても好きで、自分もこのように生きて暮らしたいなといつも思います」(佐々木)

■ 第2位
アルバニア・ヴョサ川 ヨーロッパ最後の原生河川、パタゴニアの映画『Blue Heart』の川を旅する | パックラフト・アディクト ※全3回

■ 第3位
あまとみトレイル開通 – 信越トレイルとつながる200km #01 | ロングトレイルの成り立ち ※全3回


堀川臣樹 (PADDLE QUEST)



 
■ 第1位
釧路川スルーパドリング | 全長100kmの釧路川をパックラフティングとハイキングでつなぐ旅 (前編)MKTを歩き釧路川へ ※全3回

「西日本の代表的な清流である仁淀川に続き、皆が憧れる北海道の釧路川。『スルーハイク』ならぬ『スルーパドリング』と称した、源流から河口までを5日間で漕ぎ進む旅は、景色の変化とともに旅の深さを感じるものでした。また、ウィルダネスを漕ぎ通すストイックさを探求した旅ではなく、居酒屋やスーパー、カフェなど、程よく文明 (街) と交わるライトな感覚に、好感を覚えました」(堀川)

■ 第2位
北海道・歴舟川 パックラフティング & 河原キャンプ 2 DAYS(前編・後編) | パックラフト・アディクト ※全2回

■ 第3位
高知・仁淀川 パックラフティング & 河原キャンプ 2 DAYS | パックラフト・アディクト #59

* * *

今回の#01では、15人のマイベスト記事をお届けしました。12/28 (水) には、#02を発表! スルーハイカー、ガレージブランド、フライフィッシャー、ビアパブオーナー、編集者、トレイル関係者をはじめ、さまざまなジャンルの方々が登場します。次の15人のマイベスト記事もお楽しみに!

※ トレイル・カルチャー:TRAILS(トレイルズ)は、トレイルカルチャーという言葉が未だ日本に存在しなかった2014年1月に、“本当におもしろくて、役に立つ、他にはない、リアルな情報” を合言葉に、インディペンデントでとんがったメディアを作るべく、日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンとして産声をあげました。それから約9年、有名無名を問わず世界中のコアな人たちにコンタクトをとり、Webメディアとしては異質とも言える、企画と編集に過剰にこだわる時代錯誤なスタイルを続けています。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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