TRAILS REPORT

My Best Articles 2021 | #01 トレイル・カルチャーの未来を刺激する30人と、読者が選ぶ2021年のベスト記事(前編)

2021.12.22
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2021年も残すところあとわずか。今年も読者の方々はもちろん、ハイカー、ランナー、パックラフター、そしてメーカー、メディア、ショップ、山小屋、トレイル関連の方々など、とにかくたくさんの方々にお世話になりました。

今年もTRAILSはハイキング、パックラフティング、ハンモックハイキング、スキーハイキング (BCクロカン)、ランニングをはじめ、さまざまなアクティビティを通じて、僕らなりの遊び方やその背景にあるトレイル・カルチャー (※) を発信してきました。

たとえば、連載記事をいくつか挙げると、コロナ禍におけるアメリカのハイキングシーンの最前線をレポートした『リズ・トーマスのハイキング・アズ・ア・ウーマン』。


 
希少なBCクロカンの日帰りルートを紹介した『SKI HIKING』、ハンモックハイキングの基礎から応用、おすすめギアまでを網羅した『HAMMOCKS for Hikerシリーズ』、僕らがハマっているパックラフトのタンデム艇 (2人艇) を過剰なまでに掘りまくった全7回の特集『パックラフト・アディクト (タンデム艇のABC)』。


 
さらに、「自分たちの遊び場を自分たちで作り、守っていく」というスタンスのもと、延伸で110kmになった信越トレイルをいち早く紹介した『信越トレイル延伸レポート』と、38年ぶりに吊り橋が架かり再興が進む伊藤新道に迫る『北アルプスに残されたラストフロンティア』をお届けしました。


 
1年を通じて、TRAILSならではの “ここにしかないリアルな情報” をお届けできたのではないかと思います。
 
では、年末恒例の『My Best Articles 2021』をお楽しみください。


2021年のマイ・ベスト・アーティクルを選んでくれた30人


マイベスト記事を選んでくれたのは、僕たちTRAILS編集部がリスペクトし、独自の編集観点で選出させていただいたTRAILS的感性でイケてる人々。メーカー、ショップ、メディア、書店、編集者、ハイカー、ランナー、旅人、クリエイター、トレイルの作り手の方々など、総勢30名です。


さらに今年からは、読者の方々にも投票に参加いただき、今年の「BEST記事TOP10」を決定することにしました。

#01と#02で、30人それぞれのベスト3の記事を紹介。そして#03で、読者投票も踏まえた集計結果をもとに、2021年の記事ランキングTOP10を発表します。


井原 知一(100マイラー)



 
■ 第1位
TRAILS環境LAB | 松並三男のSALMON RIVER #14 鮭漁のオフシーズンの今、鮭川村で取り組んでいること

「川鮭は2~8年ほど、産まれた川から海へ下り、餌を求めてアラスカ周辺まで1万km以上の旅をして、その一生を終えるとのこと。1万キロということは100マイルを約62回分通しで終えるということ。そんな川鮭がウルトラランナーとかぶり、ボロボロになって産まれた川に帰ってくる勇姿を見たいと思いました」(井原)

■ 第2位
LONG DISTANCE HIKER #06 筧啓一 | 60代からはじめたロング・ディスタンス・ハイキング

■ 第3位
IN THE TRAIL TODAY #11|アパラチアン・トレイルの山岳エリアを楽しむ、約2週間のセクションハイキング


佐藤 有希子(信越トレイル)



 
■ 第1位
北アルプスに残されたラストフロンティア #01 |伊藤新道という伝説の道 〜伊藤正一の衝動と情熱〜 ※全5回

「昨年、伊藤圭さんにお会いする機会があり、このプロジェクトについて伺いました。大町のトレイルタウン化構想を含め、夢しかない未来に興奮します。そしてハイカーとして純粋に『この道を歩いて、未だ見ぬ向こう側へ行ってみたい』と、どうしても思ってしまう」(佐藤)

■ 第2位
リズ・トーマスのハイキング・アズ・ア・ウーマン#34 / ワクチン接種後のアメリカハイキング事情(トレイルと町への影響について)

■ 第3位
フォロワーゼロのつぶやき 中島悠二 #20 よこになりたい


土屋 智哉(Hiker’s Depot)


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■ 第1位
シエラ山脈のオフトレイルを歩くサウザン・シエラ・ハイルート|by リズ・トーマスのハイキング・アズ・ア・ウーマン#35 ※全2回

「この記事を読んでいると2018年夏のシエラ・ハイ・ルートをまざまざと思い出します。自分のアメリカハイキングの集大成ともいえるスルーハイクが手触り感をもって蘇るのです。非常に個人的ですが、自分の大事な記憶と結びついてしまったら1位です。探検部出身者としてもともと沢、岩、洞窟など道のないところでの活動を嗜好してきましたが、ハイキングに出会い20年近く真剣に向き合ってきたからこそ、あらためてもう一度、自らの初期衝動に立ち返ろう、道から外れよう、と向かったシエラ・ハイ・ルート。それは最も現代的なハイキングであり、さらにジョン・ミューアが100年前にしたであろう古のハイキングでもありました。『宿泊道具を持って原野を旅する』というハイキングの語源的な姿そのままの旅、この記事はそれに対する情熱を揺すぶってくれます。シエラ・ハイは集大成といいましたが、この記事を読んで、アメリカのオフトレイル・ルートへの情熱の熾火に火がつきました。この道のさらに向こう側に行ってみたいと強く思うのです」(土屋)

■ 第2位
北アルプスに残されたラストフロンティア #01 |伊藤新道という伝説の道 〜伊藤正一の衝動と情熱〜 ※全5回

■ 第3位
LONG DISTANCE HIKER #07 河西祐史 | ロングトレイルを通してアメリカを遊びたおす


ルーカスB.B. (PAPERSKY)



 
■ 第1位
SKI HIKING | #05 BCクロカン2021 Second Season ※全4回

「SKI HIKINGを、個人的にすごくやりたいと思いました。たとえばスノーシューは、そんなに距離を進むことはできないじゃないですか。でも、SKI HIKINGであればもっと遠くまで行けます。途中で泊まったりして、旅ができたら面白そうですよね。すごくポテンシャルあるんじゃないかなと。TRAILSとPAPERSKYで一緒に何かできたら面白いなと思っています」(ルーカス)

■ 第2位
TOKYO ONSEN HIKING #14 | 鐘ヶ嶽・七沢荘

■ 第3位
HAMMOCKS for Hiker | ハンモックのA to Z 〜ハイカーのためのハンモック〜 ※全4回


清瀬 恵子 (otopukeknit)



 
■ 第1位
北アルプスに残されたラストフロンティア #01 |伊藤新道という伝説の道 〜伊藤正一の衝動と情熱〜 ※全5回

「伊藤正一氏がつくった伊藤新道の歴史と、復興に奮闘する息子さんたちの今を追った企画。ひとりの人間の強烈な初期衝動と情熱が道になり、今もなお多くの人たちを突き動かしているという圧倒的な事実。またいつの日か雲ノ平を歩きたい」(清瀬)

■ 第2位
TRAILS環境LAB | 松並三男のSALMON RIVER #12 数字で振り返る、鮭の遡上量と発眼卵放流

■ 第3位
SKI HIKING | #05 BCクロカン2021 Second Season ※全4回


伊藤 圭 (三俣山荘)



 
■ 第1位
LONG DISTANCE HIKER #09 二宮勇太郎 | PCTのスルーハイキングで気づいた本当の自分

「単純に共感できますね。『おれ、なにやってんだろ』とかってなった時に、我に帰る時間。そういうのがロング・ディスタンス・ハイキングに対するイメージ。気付くっていうか、思い出すって感じですかね。僕もそういう時間が欲しいです」(伊藤)

■ 第2位
LONG DISTANCE HIKER #06 筧啓一 | 60代からはじめたロング・ディスタンス・ハイキング

■ 第3位
HAMMOCKS for Hiker | ハンモックのA to Z 〜ハイカーのためのハンモック〜 ※全4回


土井地 博 (BEAMS)



 
■ 第1位
PCTハイカーTONYが歩いた摩周・屈斜路トレイル(前編・中編・後編) ※全3回

「学生時代に、摩周湖、屈斜路湖を旅したことを思い出しました。もちろんその場所を歩いたことはないのですが、この記事と写真でいつか必ずと自分自身に約束をしました」(土井地)

■ 第2位
HAMMOCKS for Hiker | ハンモックのA to Z 〜ハイカーのためのハンモック〜 ※全4回

■ 第3位
パックラフト・アディクト | #40 ポーランドのウォブジョンカ川 4DAYS TRIP(前編・後編) ※全2回


堀川 臣樹 (PADDLE QUEST)



 
■ 第1位
パックラフト・アディクト | #46 タンデム艇のABC 〜ウルトラライトな2人艇のススメ〜 ※全4回

「タンデムという表現を伝えるアクティビティは、現代においてバイクと自転車、そしてパドルスポーツのみではないかと思います。またこの3種は共に『ツーリング』という旅を感じさせる言葉も共有しています。個人的にはシーカヤックにおいて使用することが多いのですが、体力が少ない女性パドラーがいる旅ではメンバー間のパワーバランスを調整することができ、またリスクマネージメント的にも有効です。タンデムとしての魅力と利点を訴追した記事に共感しました」(堀川)

■ 第2位
パックラフト・アディクト | #39 【MOVIE】 静岡・気田川 パックラフティング & 川原キャンプ 2 days

■ 第3位
パックラフト・アディクト | #42 Packrafting Meet-up Europe 2020


森 卓也 (蔦屋書店)



 
■ 第1位
パックラフト・アディクト | #41 ディンケル川、夜間外出禁止令のなか日帰りパックラフティング

「オランダとドイツの国境線でもあるディンケル川をパックラフティングする。人が勝手に引いた国境の上を自由に滑る旅を、私もしてみたいです。コロナ禍のオランダ、制約のもとで楽しむ人々の姿も印象的でした」(森)

■ 第2位
【延伸区間オープン ! 】信越トレイルが全長110kmのトレイルに生まれ変わります。

■ 第3位
LONG DISTANCE HIKER #07 河西祐史 | ロングトレイルを通してアメリカを遊びたおす


大越 智哉 (Great Cossy Mountain)



 
■ 第1位
IN THE TRAIL TODAY #10|ラップランドの北極圏トレイルをのんびり旅する1週間のセクションハイキング

「とかくアメリカ寄りに語られがちなロングトレイルカルチャーではあるが、北欧や日本はもちろん、知名度や整備具合の差はあれ、世界中にロングトレイルが存在するという当たり前のことに気づかせてもらった。コロナ禍の中、Bertramという北欧系ブッシュクラフトYoutuberの動画にドはまりしたのも、選んだ理由のひとつかもしれない」(大越)

■ 第2位
LONG DISTANCE HIKER #08 長沼商史 | ロング・ディスタンス・ハイキングで得られる解放と自由

■ 第3位
信越トレイル延伸 〜約40kmの新セクションの全容〜(前編・中編・後編) ※全3回


松本 和也 (BLUELUG)



 
■ 第1位
TODAY’S BEER RUN #03 | ピガール トウキョウ (三軒茶屋)

「ついに三軒茶屋に来た。僕の住んでいる街で、よく行くピガールだ。日常を暴かれたような、独り占めしてた秘密基地がバレたような、妙な気分。でも、ピガールは最高の場所だから誇らしい。ゴールに選んだお二人優勝!」(松本)

■ 第2位
TOKYO ONSEN HIKING #14 | 鐘ヶ嶽・七沢荘

■ 第3位
HAMMOCKS for Hiker | ハンモックのA to Z 〜ハイカーのためのハンモック〜 ※全4回


千代田 高史 (MoonlightGear)



 
■ 第1位
北アルプスに残されたラストフロンティア #01 |伊藤新道という伝説の道 〜伊藤正一の衝動と情熱〜 ※全5回

「TRAILS史に残る熱のこもったシリーズだと思った。山行はチャレンジ度合いと自分だけのテーマをどれだけ探究できるかが醍醐味だと自分は思っているのだけれども、冒険したくなる匂いと、書き手の熱の入りようと伊藤兄弟の思想のコントラスト、高橋庄太郎氏の思い入れなど、黒部の山賊に魅せられた様々な男達のストーリーが、まるで一本の映画を見たような気になるほどの熱みを帯びていてとても刺激を受けた」(千代田)

■ 第2位
LONG DISTANCE HIKER #09 二宮勇太郎 | PCTのスルーハイキングで気づいた本当の自分

■ 第3位
パックラフト・アディクト | #46 タンデム艇のABC 〜ウルトラライトな2人艇のススメ〜 ※全4回


桑原 慶 (Run boys! Run girls!)



 
■ 第1位
信越トレイル延伸 〜約40kmの新セクションの全容〜(前編・中編・後編) ※全3回

「TRAILSの信越トレイルにまつわる記事が好きだ。ランナーをしても “歩きたい” という気持ちにさせてくれる (恥ずかしながら歩いたことはない)。今回も延伸部分を魅力たっぷりに伝えてくれて、増々思いは募ってしまった。来年こそ」(桑原)

■ 第2位
IN THE TRAIL TODAY #10|ラップランドの北極圏トレイルをのんびり旅する1週間のセクションハイキング

■ 第3位
パックラフト・アディクト | #45 ボレンストレーク(球根地帯)のチューリップ畑を満喫するパックラフティング


小林 大允 (Answer4)



 
■ 第1位
井原知一の100miler DAYS #10 | 走る生活(東海自然歩道FKT)

「東海⾃然歩道FKTをやりたいんだけど、どうかな? って相談を受けた時、『そうきたか……』と内心驚いた。トモさんがどうかな? って言ってきた時は、サポートよろしくねって時なのだ。サポート慣れはしているが約1,100km同行するのは未知なので末恐ろしい気持ちだった。記載の通り、DNFになってしまったがリベンジに燃えている。次回はいつなのかまだ未定だが楽しみにしている」(小林)

■ 第2位
【延伸区間オープン ! 】信越トレイルが全長110kmのトレイルに生まれ変わります。

■ 第3位
LONG DISTANCE HIKER #06 筧啓一 | 60代からはじめたロング・ディスタンス・ハイキング


ハミルトン・シールズ (Mikkeller Tokyo)



 
■ 第1位
TOKYO ONSEN HIKING #13 | 鷹取山・あづま湯

「これまで鎌倉・逗子エリアでのショートハイクはたくさんしてきました。私の経験では、このような都会と田舎を合わせたようなハイクは鎌倉ならではのもので、いつも魅了されています。私は、このエリアの温泉を知らなかったので、ハイキングと温泉、そして私のお気に入りのビールスポットを組み合わせたイージーなデイトリップができることにワクワクしています。というのも、ビーチマフィンにあるヨロッコビールのタップルームが、あづま湯から2km下ったところにあるのです」(ハミルトン)

■ 第2位
SKI HIKING | #05 BCクロカン2021 Second Season ※全4回

■ 第3位
TODAY’S BEER RUN #03 | ピガール トウキョウ (三軒茶屋)

* * *

今回の#01では、15人のマイベスト記事をお届けしました。12/24 (金) には、#02を発表! スルーハイカー、ガレージブランド、プロトレイルランナー、山小屋経営者、ビアパブオーナー、編集者、トレイル関係者をはじめ、さまざまなジャンルの方々が登場します。次の15人のマイベスト記事もお楽しみに!

※ トレイル・カルチャー:TRAILS(トレイルズ)は、トレイルカルチャーという言葉が未だ日本に存在しなかった2014年1月に、“本当におもしろくて、役に立つ、他にはない、リアルな情報” を合言葉に、インディペンデントでとんがったメディアを作るべく、日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンとして産声をあげました。それから約6年、有名無名を問わず世界中のコアな人たちにコンタクトをとり、Webメディアとしては異質とも言える、企画と編集に過剰にこだわる時代錯誤なスタイルを続けています。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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