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文  ルイス・エスコバル   写真  クリス・クレメンス   訳  大島竜也/三田正明

4回目となる写真家ルイス・エスコバルのカリフォルニア・ランニング通信。今回はデスバレー内のバッドウォーター(海抜−86 m) をスタートし、合衆国本土最高峰マウント・ホイットニー山頂(4,418m)をゴールとする、距離234 km、累積標高5,700m、最高気温50度強という過酷なルートをセルフエイドで走破するというイベントを紹介してくれています。灼熱の荒野を行く、極限の長距離ランニングの様子を写真と一緒にお楽しみください。

■デス・バレーからマウント・ホイットニーまでの234km/Death Valley to Mount Whitney Summit 146

海水が干上がった海の底がどんな様子か想像してみてほしい。カリフォルニア州デス・バレーの東端、ハイウェイ190線上に位置するバッドウォーター・ベイジン(盆地)は海抜-86mで、西半球でもっとも低い地点にある(訳者注:この記述はルイスの間違いで、西半球でももっとも海抜の低いのはアルゼンチンのカルボン湖の-105m)。真夏の大気は熱く強烈で、色彩はまぶしく鮮烈だ。水分は乾ききり、石や砂が焦げたような臭いさえする。ここにあるすべてが大げさで、生けるものを圧倒している。ここでは熱を反射する鎧のような外套を着込んだ動植物でなくては生き延びていけないだろう。灼熱の刃の熱風に巻き上げられた砂粒が散弾銃のように皮膚を襲い、水も、木も、もちろん日陰もない。いっさいの安らぎも同情もないし、もちろん救援など望みようもない。

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そのバッドウォーター・ベイジンから約234kmの場所に、荘厳なマウント・ホイットニーの頂がある。標高4,418mは合衆国本土の最高峰で、この対照的な二つの地点の間には三つの吹きさらしの砂漠(デス・バレー、パナミント・バレー、オーエンズ・バレー)と三つの高い峠と頂(タウネ・パス1,490m、ファーザー・クロウリー・パス1,460m、マウント・ホイットニー山頂4,350m)がある。234kmの曲がりくねった黒く舗装された灼熱の道路と11kmの険しいシングル・トラックで繫がれており、この二地点の高低差の累積標高は5,700mを超える。

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このバッドウォーター・ベイジンからマウント・ホイットニー山頂までの234kmの道のりは、冒険好きな長距離ランナーにとっては危険を冒してでも挑戦したくなる魅力がある。もちろんデス・バレーを夏に走ることはとても危険な行為であり、軽々しく行うべきことではない。コンディションは極限状態でサポートも外部への連絡手段もなく、エスケープ・ルートもない。デス・バレーでランナーは招かれざる客なのだ。砂漠は冷酷で、時に死に至ることもある場所である。立ち入る際は敬意と充分な注意が必要である。

12014年7月19日土曜日、午前7時。私と友人のマウリシオ・プエルトはバッドウォーター・ベイジンの干上がった塩の平原に立っていた。気温は約43度。ハイウェイ190の先は砂漠の向こうに蜃気楼となって消え、路面はギラギラと照りつける太陽に熱せられ光っている。私たちには3人のサポート・クルーがいて、一台のトラックと一台の乗用車で私たちの砂漠の旅をサポートしてくれる手筈になっていた。

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そのランはどの団体からも支援を受けず純粋にセルフ・エイドで実施したイベントで、もちろんレースでもなかった。僕らは西半球で最も低い場所であるバッドウォーター・ベイジンに立ち、米国一高い場所であるマウント・ホイットニーの頂上を自分たちだけで目指すのだ。

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最初の目的地はファーネイス・クリーク(小川)にある牧場で、海抜より低い場所を通る26kmの道のりだった。遅い午後の乾燥した大気はむせ返るような暑さだったが、風は穏やかだった。私たちの靴のソールは熱くなった道路のせいで柔らかくなっていたので、熱を避けるため道路の白線を辿って歩いた。目的地のファーネイス・クリークに着く前にあまりの暑さで車が故障したりもしたが、私たちの旅は想定通りに進んでいた。

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次の目的地は42km先にあるファーネイス・クリーク牧場とストーブパイン・ウェルズの間にある集落で、特に危険なセクションだった。私たちは最も暑い時間帯に砂漠で最も暑い場所を走らなければならないのだ。午後の強い横風が砂利や石を巻きあげて走るのをさらに困難にし、気温は少なくとも摂氏50度を超えていた。さらに迷惑なことに、夏休み中でハイウェイ190は車の通行量が多く、まさかこの猛暑下で人が外を走っていると思わない人々は猛スピードで通り過ぎたかと思うと急停車して、私たちの写真を撮っていた。いずれにしろ道路状況と天候を把握することはとても重要だ。

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私たちは夕方早くにストーブパイン・ウェルズに到着し、七面鳥とアボガドをトルティーヤで巻いたラップ・サンド、温かいスープとアイス・キャンディーで軽い夕食を取った。モーテルにあったプールに少し浸かったあと、ギアを取り替えて日没迄のランに向かった。

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ストーブパイン・ウェルズからタウネ・パス(峠)の頂上までは29kmあり、標高0mから標高1,500kmまで一気に登らなければならない。私たちは走れる場所は走り、きつい場所は歩いて足を進めた。頂上近くで休むことを決め、タープを寝心地の悪い地面に敷いて3時間ほど仮眠して朝4時、ふたたび私たちは頂上を目指した。この辺りのハイウェイ190は急峻で風が強く、道幅も狭かったので走るのに苦労した。24時間を隣り合って走り、マウリシオと私は遂にデスバレーを抜け出して、二日目の朝日があたりを照らす頃にはパナミント・バレーを見下ろしていた。

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パナミント・バレーまでの18kmは南向きの急な下りで太陽に面していたので眩しく、とても暑かった。7月20日、日曜の昼前に出発から72km地点に位置するパナミント・スプリング・リゾートに辿り着いた。私たちはここで長めの休憩を取り、ガソリンタンクと空腹を満たすことにして、沢山の食事と冷たい飲み物で次の目的地のファーザー・クロウリー・パスの峠越えに備えた。

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次のセクションでの問題は、ダーウィン近くの砂漠地帯のどこで曲がるかだった。何もない砂漠のなかでオーエンズ・レイクベッド(湖畔)とキーラーの町への方向を示す標識を見つける必要があるのだ。なんとか標識を見つけ、西に向けて走っていくとドラマチックな夕日がシエラ山脈の上にかかり、私たちが目指すオランチャとマウント・ホイットニーが視界にはっきりと見えてきた。日没後も走り続けたが、日が変わった21日月曜午前2時頃に休憩をとることにした。キーラーの町を通り過ぎた辺りで私たちはタープを広げ、星が砂漠の空を照らす下で隣り合っていびきをかいた。

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日の出前に目を覚まし、ふたたび走り始めた。オーエンズ・バレーに向かって道を下っていると日が昇り始め、同時に気温も上がっていき、朝7時頃には摂氏43度に、正午には54度にも達した。ローンパインの町を通り過ぎてハイウェイ395を右折し、今回のランで初めて木陰を走ることができた。続いて賑わった小さな町を通り過ぎた頃、ハコヤナギの木陰から出てかんかん照りでのランが再び始まった。マウント・ホイットニーへの入り口にあるアラバマ・ヒルズの道は急な登りで距離も長かったが、ゴール地点のマウント・ホイットニーの頂上までは目と鼻の先の所まで来た。

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出発点から216km(頂上まで残り18km)にあるホイットニー・ストアに到着したのはその日の午後だった。私たちは標高2,400m地点にいて、空気はとても冷たく、松の木の甘い香りがしていた。ここまで辿り着いた自分達へのご褒美にハンバーガーと冷たいビールで腹ごしらえをし、午後7時に店を出発してトレイルを走り始めた。この2日半の殆どを国道のアスファルトの上で走っていたので、土のトレイルを走るのはとても久しぶりだった。私たちはトレッキング・ポールを手にヘッドランプを装着し、ダウンジャケットとロングパンツに小さなデイパックを背負い、クリスタル・レイクを通り過ぎて頂上へと向かった。

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あたりはすぐに暗くなり、気温も冷え込んできたが、運のいいことに空気が澄んでいたせいで道ははっきりと見えた。かの有名な99スイッチバックス(99カ所のつづら折り)を警戒しながらゆっくり進むといつのまにか森林限界を超えていたようで、あたりに木々はなく足下はガレた岩場になっていた。細い尾根道を走っていくとあたりは真っ暗になり、気温もぐっと下がってきた。標高4,200mを超え頂上まで30分ほどの場所まで来ると切り立った尾根道になり、人ひとり通るのがやっとな幅しかなかった。左側にはオーエンズ・バレーとローンパインの町が、右側にはウエスタン・シエラとセコイア国立公園が見わたせた。まさに「もし落ちたら、絶壁におちる雫の如く落下して死ぬ」場所だった。

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寒さと疲れで足が震えたが、出発から234kmを短い休憩と仮眠を挟んでの66時間で走り、遂にマウント・ホイットニーの頂上に到着した。私たちは最も高い場所に立ち、二人で握手している様子を写真に撮った。シェルターのあるストーン・ハットに戻った頃にはもう24日の午前1時30分になっていた。私たちは朝日を待ち、自分たちの足跡を辿りながら18kmの下山の路についた。

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バッドウォーター・ベイジンからマウント・ホイットニー山頂までの234kmは万人に薦められるものではない。とても危険で困難であり、費用もかかる。今回は私にとって4度目の経験だったが、それでもランナーとして自分自身を謙虚に、そして高めてくれるとても有意義な経験になった。砂漠や高峰の峠道にはいまだ隠されたシークレットがまだまだ残されている。そしてそれは、心身の疲労の先に初めて見つけられるものなのだ。学ぶべきなにかがそこにはある。

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このエッセイをサポートクルーのメンバーに捧げる。

クレメンス兄弟、クリスとテイラー、そしてグレゴリオ・ポンセに。この極限の長距離ランニングはチーム・アクティビティであり、若き彼らの助けなしになし得ることはできなかった。彼らは自分たちのことは後回しに常にランナーのことを気にかけてくれた。私は一生感謝してもしきれない。そして旅の様子を写真に収めてくれたクリス・クレメンスにも大きな感謝を。

最後にランニングパートナーのマウリシオ。君の我慢と寛大な心に本当に感謝する。そして、何より私の妻であるビバリーに。変わらぬ信頼とサポートをいつもありがとう。

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■Death Valley to Mount Whitney Summit 146 By Luis Escobar

Text : Luis Escobar
Photo : Chris Clemens

Imagine the floor of a dry sea or the bottom of an ocean with no water.

The Badwater Basin is located on Highway 190 in the far eastern corner of Death Valley California. At two hundred and eighty two feet below sea level, it is the lowest point in the Western Hemisphere. In Death Valley the mid summer air is heavy with heat and the taste of burnt rock and sand. It is a place of intense saturation, everything here is exaggerated, it all seems bigger than life. The colors are more vivid, deep and bright. The wind is strong and it caries pellets of hot sand and searing blades of heat. The plants and animals here wear thick coats of heat reflecting armor. There is no water, there are no trees, there is no shade. The desert offers no comfort, no sympathy and absolutely no relief.

Coincidentally, just 146 miles away from the Badwater Basin stands the rocky and majestic summit of Mt. Whitney. At 14,505 feet above sea level, the peak of Mt. Whitney is the highest spot in the contiguous United States. Between the two points, there are three windswept desert valleys (Death Valley, the Panamint Valley and the Owens Valley) In addition, there are three tall mountain passes (Towne Pass 4956′ and Fr. Crowley Pass 4879′ and Mt. Whitney summit 14,505′) There is 135 miles of undulating, heat radiating, black pavement and 11 miles of arduous, rocky, single track trail. The total cumulative elevation gain between the two points exceeds 19,000 feet.

The Badwater to Mt. Whitney 146 route is a tempting problem for an adventurous long distance runner. Summer running in Death Valley California is a serious and dangerous undertaking. It should not to be taken lightly. The conditions here are extreme, there is no support, no communication and no real exit. When you run in Death Valley you are an uninvited guest. The desert is indifferent. There are deadly consequences. Enter with respect and caution.

At 7:00am on Saturday, July 19, 2014, my good friend, Mauricio Puerto and I stood on the salt flat floor of the Badwater Basin. It was 110 degrees. Before us we could see Highway 190 disappear into the shimmering desert. The road was glossy with heat and glaring sun light. We had a support crew of three friends, one truck and one car that would follow us on our journey through the desert.

Our run would be pure, self aided, not affiliated with any organized event. This was not a race. We were standing at the bottom of the earth, we were running to the top and we were on our own.

Our first goal was the 16 mile section to the ranch at Furnace Creek. This entire distance is well below sea level. The late morning air was thick, calm and dry. The soles of our shoes were softened by the hot street. We would run on the white line for relief from the black pavement.After some heat related car trouble, we arrived at Furnace Creek (mile 16). We were hot and dry but in full control.

Our next goal was the long 26 mile section between the Furnace Creek Ranch and the tiny community of Stovepipe Wells. This is a particularly dangerous section of road. We would be running in the hottest part of the desert, during the hottest time of the day. The strong afternoon side wind rushes across the hot gravel and rock which creates a powerful confection effect. Here the ambient temperature was well over 125 degrees. In addition, the midsummer tourist traffic on Highway 190 is high. Drivers and tour busses are not expecting to see people running. They are either driving very fast or stopping to take pictures of us. Either way, it’s an awkward encounter and it is very important to pay close attention to the road conditions weather and traffic.

We arrived at Stovepipe Wells (mile 43) in the early evening. We had a light dinner of turkey and avocado wraps, warm chicken soup and Popsicles. After a quick dip in the motel pool, we changed into our night time running gear and headed out towards the sunset.

Stovepipe Wells to Towne Pass Summit is a 18 mile assent from elevation zero below to nearly 5000 feet above. We ran what we could and walked what we could not. Near the summit we decided to rest. We spread tarps on the ground and slept uncomfortably for nearly three hours.

By 4:00AM on day two we were back on our feet and moving toward the summit at Towne Pass(mile 61). Here Highway 190 is steep, winding and narrow. Side by side for nearly 24 hours, Mauricio and I had now run through Death Valley and when dawn broke on the second morning, we were looking across the Panamint Valley.

The 11 mile descent into the Panamint Valley is steep, south facing, exposed and white hot. We scrambled into the Panamint Springs Resort (mile 72) in the late morning on Sunday, July 20. There we refueled our support vehicles and ourselves. After a long break, a big meal and plenty of cold drinks we started up towards the overlook at Fr. Crowley Summit.

The next point of significance is the high desert turn near Darwin. There is nothing at the Darwin turn but a sign post pointing the way to the dry Owens Lakebed and the tiny town of Keeler several dusty miles below.We were traveling west as evening fell on day two, running into a dramatic sunset and directly towards the High Sierra. Langley, Olancha and Whitney are now clearly in our view.It was about 2:00Am on Monday, July 21 when we decided to take another break. Somewhere outside of Keeler, we spread our tarps on the ground and laid there side by side, snoring into a star lit desert sky.

We were up and running again prior to sunrise. As we descended into the Owens Valley, the sun was rising and so was the temperature. It was 110 degrees by 7:00am close to 130 by noon. Outside of the town of Lone Pine, we turned right onto Highway 395. For the first time in almost three days we were now running in the shade of trees. Soon we pass through the busy little town and away from the shelter of the Cottonwoods. We are now moving through the Alabama Hills on Whitney Portal Road. It is very hot, the road is steep and long but the summit of Whitney seems close enough to touch.

It is early afternoon when we reach the Whitney Store (mile 135) We are now at 8,000 feet. The mountain air is cool and sweet with pine. We treat ourselves to a burger and a cold beer. It’s about 7:00pm when we depart the store and step on a dirt trail for the first time in two and a half days. Sporting trekking poles, headlamps, down jackets, long pants and a small day pack we work our way past Crystal Lake towards the summit.

Night comes fast, hard and cold. We are in luck, although it is very cold the trail is clean and well defined. We are moving slowly and deliberately up the famous 99 switchbacks. We are now well above the timber line, the trail is field of scree, scrabble and loose rock. It is very dark and very cold as we traverse the thin spines and ridges. At around 14,000 feet above the sea and maybe thirty minutes from the Whitney Summit the trail clings to a vertical cliff face and then traverses a razor thin ridge. On my left is the Owens Valley and the town of Lone Pine. To my right is the Western Sierra and Sequoia National Park. This is a “you fall you die precipitous drop”.

It is on cold and unstable legs that we reach the rocky summit of Mt. Whitney (mile 146) it had taken us just over 66 hours of nearly continuous motion to get to this point. Standing there on the highest spot in the lower fourth-eight, we take a few photos with our shaking hands. It is 1:30am on Tuesday, July 24 when we retreat to the Stone Hut for shelter. There we wait for sunrise and then retrace our steps 11 miles back down the mountain.

The Badwater to Mount Whitney Summit 146 may not be for everyone. It is very difficult, it is dangerous and expensive. This was my 4th time to make the trek and for me it is a humbling and enriching experience.There are secrets hidden in those deserts and high mountain passes. There are secrets hidden beyond physical and mental exhaustion. There are lessons to be learned out there.

This essay is dedicated to our crew, the Clemens brothers, Chris and Tyler and the young Gregorio Ponce. Extreme long distance running is a team activity and without these boys our journey would not have happened. They were selfless and attentive. I am forever grateful.

Special thanks to Chris Clemens who documented the run with his camera.

Thanks to my friend and running partner, Mauricio Puerto. I appreciate your patience and tolerance. Most of all thank you to my wife Beverly for her continued trust and support.

写真/文 ルイス・エスコバル  訳 大島竜也/三田正明

3回目となる写真家ルイス・エスコバルのカリフォルニア・ランニング通信。今回はグランドキャニオンにあるルイスおすすめのトレイルを紹介してくれます。“Rim to Rim to Rim running”とは?観光客に出会わない隠れたランニングコースとは?ダイナミックなグランドキャニオンの写真と一緒にお楽しみください。

■グラウンドキャニオンのリム・ランニング/The Road Little Less Travelled…

1919年に正式認定されてから、グランドキャニオンはアメリカの国立公園の象徴となっている。アリゾナ州北 部に位置し、1,900平方マイル(=4,930km²=東京都の面積の2.3倍!)の面積を持ち、アメリカの中でも11番 目に大きいこの国立公園には広大なフィールドと何百マイルものトレイルがあり、ハイカーやランナーにとって も途方もなく多くの選択肢がある場所だ。

グランドキャニオンでのトレイルランニングはとても人気があるが、その中でもよく整備された三本のトレイル であるSouth Kiabab Trail、North Kiabab Trail、Bright Angel Trailは最良な選択肢だろう。“Rim to Rim to Rim running(キャニオンの縁【へり】から縁へ走ること)をパーク・レンジャーは推奨しないが、それは違法 行為でもない。しかし、一歩間違えば取り返しのつかない事故に繋がることも事実でもある。このランを試みる 人は十分な準備をし、しっかりとした知識を持ち、自己責任を負える人でなければならない。

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グランドキャニオンの変わりやすく極端な天気はいつも問題だが、”Rim Run”には最も適した天気である。その 意味で季節は春か秋をお薦めする。私は夏にここを走ったことがあるが、二度と同じ事はしないだろう。その日 のキャニオンの気温はとても高く不快で、危険だった。もしRim Runをするなら、私は暑さを避けるためにも、 午前3時からスタートすることを勧める。

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スタートしたら、South Kiabab Trailを約11km程コロラドへ向かって走り、Black Bridge付近で川を渡り、Ph antom Ranchへ進む。Phantom RanchからNorth Kiabab Trailheadに向かってそのまま13マイル(約21km) を行く。 そして、そこで折り返し、来た道を戻ってPhantom Ranchを通り、Silver Bridge付近のコロラド川 を横断し、Bright Angel Trailへ進む。Phantom RanchからBright Angel Trailheadの頂上までは、長くて急勾 配の道が約10マイル(= 16km)待っている。 到着する頃には暗くなっているかもしれないので、その事を考 慮して計画するのが良いだろう。

The South Kiabab Trailは露出した尾根にあり、とてもごつごつしてとても急な勾配を有している。South RimのYaki Pointの南から始まり、コロラド川に向けて6マイル(約10km)下って行く。 キャニオンの縁と コロラド川の標高差は4860フィート(1,480m)あり、そこは水も影もないが、公園内で最も見晴らしが良い場 所だ。一方でこのTrailの上の道は、冬から雪解け前の季節の間ひどく凍結する程標高差がある。

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The Bright Angel Trailはとても人気で、最も多くの人が歩くトレイルだ。トレイルそのものは約29km(キ ャニオンの縁から川へ下り、再度キャニオンを登った距離)あり、Grand Canyon South RimのBright Angel Lodgeのすぐ後ろからスタートする。その道は急で、数々のジグザグ道があり、いくつかの道は露出した岩が見 え隠れしている。水場はスタート地点からは4.5マイル(約7km)、Phantom Ranchまでは9マイル(約14km )の位置にあるIndian Gardensにある。

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The North Kiabab Trailはこの3つのトレイルの中で最も人が少なく、かつ最も難易度が高いと言われている 。トレイルはSouth Rimより約900mも高い場所に位置し、カナダからメキシコの間にある全ての生態系が存在 していると言われている。コロラド川からNorth Rimにあるトレイルヘッドまでは険しい道が約22km続く。トレイルヘッドまで5マイル(約 8km)の場所にあるPumphouse Ranger Stationには水があるかもしれないが、 直近の状況については公園の係員に確認をした方が良いだろう。

以上が3本のTrailの概要だが、詳しい情報はこちら(http://www.nps.gov/grca/index.htm)でチェックして 欲しい。この3本のトレイルには歩く際の目印となるマーカーもしっかりあり、道を探すのは容易だと思う。 South Rimの多くのトレイルは比較的簡単にアクセスができるのでとても人気で、混雑する場合がある。もしSouth Rimで観光客に煩わされずに走れるランニング環境を探しているなら、The Grandview Trailがオススメだ。メン テナンスがされておらず、厳しく急峻で岩だらけだが、ほとんど人が入っていない。見つけるのも進むのも簡単 なトレイルだが、ある程度の用心と敬意が必要だ。トレイルヘッドはGrand Canyon VillageからDesert View Roadに沿いに東へ12マイル(約19km)にあるGrandview Pointにある。トレイルヘッドの標高は7,400フィ ート約2,220kmあり、トレイルにはなんの補助も水もないが、Horseshoe Mesa/Stone Cabinの折り返し地点 まで3マイル、往復でも5マイル(約 10km)しかないし、人里離れたとても面白いランニング体験になるだろ う。これらの写真は2014年の4月中頃にGrandview Trailをグループ・ハイクした際に撮影したものだ。

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The Road Little less travelled. by Luis Escobar

GRAND CANYON ARIZONA.
Dedicated in 1919, Grand Canyon is an iconic American National Park. Located in northern Arizona, with over one thousand-nine hundred square miles, Grand Canyon is the eleventh largest park in the National Park system. Grand Canyon has nearly unlimited miles of open space and hundreds of miles of trail. The hiking and running opportunities are incredible. Trail running in Grand Canyon is very popular and the obvious choices are the three maintained trails, the South Kiabab Trail, the North Kiabab Trail and the Bright Angel Trail.

Rim to Rim to Rim running is not suggested by the Park Rangers and while rim to rim to rim running is not illegal it is strongly discouraged. Those who attempt this run should be well prepared, educated and completely self-reliant. Constantly changing and extreme weather is always an issue and for that reason this run is best suited in the spring or fall. I have made the out and back run in the summer and I would not do it again. Temperatures on the canyon floor can be very high, uncomfortable and dangerous. If you attempt to run rim to rim to rim, I would suggest starting at 3:00am. Run the South Kiabab Trail approximately seven miles to the Colorado River, cross the river on the Black Bridge to Phantom Ranch. Continue thirteen miles from Phantom ranch to the North Kiabab Trailhead. From there turn around, retrace your steps back to Phantom Ranch. Depart Phantom Ranch crossing the Colorado River at the Silver Bridge to the Bright Angel Trail. Phantom Ranch to the summit of Bright Angel Trailhead is about ten, long, steep miles. You may be finishing in the dark, plan accordingly. Below is a short summery of these three trails. Complete information is available at http:// www.nps.gov/grca/index.htm

The South Kiabab Trail is situated on an exposed ridge, it is very rocky and steep. This trail begins south of Yaki Point on Yaki Point Road on the South Rim and descends six miles to the Colorado river. The elevation change between the rim and the river is 4860 feet (1480m). There in no water and little shade but some of the best views in the park. The upper sections of this trail can be extremely icy in the winter and early spring.

The Bright Angel Trail is very popular and heavily used. The Bright Angel Trail is about 18 miles (round trip – Rim to River to Rim) and starts right behind the Bright Angel Lodge on the Grand Canyon South Rim. The trail is steep and features several tight switchback sections. Some of the trail is covered but most is within an exposed rocky drainage. Water is usually available at Indian Gardens which about four and one half miles below the trailhead and at Phantom Ranch about nine miles below.

The North Kiabab Trail is the least visited and most difficult of the three maintained trails in Grand Canyon. The North Kiabab Trailhead is almost a thousand feet higher than the South Rim trails and passes through every ecosystem found between Canada and Mexico. It is about fourteen strenuous miles from the Colorado River to the North Kiabab Trailhead on the North Rim. Water may be available at the Pumphouse Ranger

Station, five miles from the trailhead. Always check with park officials for current water availabilities.

The three maintained trails that I have described are very well marked and simple to navigate. The most of South Rim trails are relatively easy to access, making them very popular and busy. However, if you are looking for a South Rim, tourist free running environment, I would recommend the Grandview Trail. The Grandview Trail is unmaintained. It is strenuous, steep and rocky. It is also a trail less traveled. This trail is well defined, easy to follow but it does require a certain level of caution and respect. You will find the trailhead at Grandview Point, about twelve miles east of Grand Canyon Village along Desert View Road. Trailhead elevation is 7,400 feet, there is no assistance and no water on this trail. It is only three miles to the Horseshoe Mesa / Stone Cabin turnaround point (six miles round trip) but it is a remote and interesting running experience.

The photographs that accompany this article were taken in mid April, 2014. These images are from a group hike along the Grandview Trail.

写真/文 ルイス・エスコバル  訳 大島竜也/三田正明

2回目となる写真家ルイス・エスコバルのカリフォルニア・ランニング通信。今回ルイスは連載第1回目でも語られた、「世界でもっとも古くもっとも権威のある100マイル・レース」ウエスタンステイツ・エンデュランスラン2014の模様をリポートしてくれます。アメリカのウルトラマラソンのグランドスラム(4大大会)のひとつでもあるこのレースで、今年はいったいどんなドラマが繰り広げられたのか。美しい写真と共にお楽しみください。

■The Beginning

1974年、ゴードン・アインスレーはテヴィス・カップへの参加登録をした。この歴史ある大会はカリフォルニア州スクウォー・ヴァレーからオーバーンまで、シェラネヴァダ山脈の心臓部を横切ってかけ抜ける乗馬耐久レースだ。ところが、レース数週間前にゴードンの愛馬は怪我を負ってしまった。そこで彼はなんと100マイル(160km)を自分の足で走ることを決めたのだった。

驚くべきことに、彼は規定の24時間以内にレースを完走してしまった。1974年7月のひどく暑かったその日、ゴードン・アインスレーはシェラネヴァダを走って横断した最初の人間となり、アメリカのウルトラランニングの歴史の創始者となったのだった。

■The Course

歴史あるウエスタンステイツ・トレイルはかつてネイティヴ・アメリカンたちが使った道であり、その後は西部開拓者や炭坑従事者たちにネヴァダ銀山とサクラメントの街を結ぶ交通路として使われてきた。現在では様々なリクリエーションに使われるよう整備され、1974年のテヴィス・カップがきっかけとなって始まったウエスタンステイツ・エンデュランスランもここで開催されている。

ウエスタンステイツ・エンデュランスランはスクウォーヴァレー・スキーリゾートからスタートしオーバーンにあるプレイサー高校の陸上トラックでゴールするまで、累積標高で5,700mを登り6,900mを下り、シェラネヴァダのグラナイトチーフ自然保護地域内を横切って行われる。果てしない登りと急峻な下りと、凍える寒風と灼熱の暑さがウエスタンステイツ・エンデュランスランの特徴である。

■Pacer Central

ウエスタンステイツ・エンデュランスランの99km地点に位置するフォレストヒル・スクールは、ランナーの補給とサポートの面で重要な意味を持つ場所だ。多くのランナーにとって、ここはスタート以来家族や友人と会える最初の場所なのだ。ランナーたちは午後遅くこの学校に疲労困憊で到着するが、親しい顔をみてハッピーになる。この場所でランナーは補給をし、荷物を入れ替え、服を着替えヘッドライトを身につけ、これから始まる夏の長い夜のトレイルランニングに備えるのだ。

そしてこの場所は“Pacer Central”としても知られている。その名の通りここはランナーがペ―サー(伴走者)と合流する場所で、ペーサーはランナーと伴走しながらペース管理や助言などランナーのサポートをする。もちろんペーサーを使うかどうかは任意だが、多くのランナーが残り61kmを完走するため活用をしている。

■River Crossing

125km地点で、ランナーたちはドライバーズ・フラットロード近くにあるアメリカン川の支流、“Ruckey Chuckey”と呼ばれているグリーンウッド渡河地点を渡る。冷たい雪解け水が流れる胸まで水深のある川に安全用のワイヤーロープが45mに渡って張り巡らされ、ボランティアたちが急流を渉るランナーたちの手助けをする。この川の横断は、とてもエキサイティングなイベントとしてウエスタンステイツ・エンデュランスランの象徴になっている。

■2014 Champions

今年のチャンピオンに輝いたのはノースフェイスのウルトラランニング・チーム所属で、普段はアリゾナ州フラッグスタッフで薬剤師として働いている37歳のロブ・クラーだった。彼の記録14時間53分は、大会史上二番目に速い記録だった。

そして女性のチャンピオンは、オレゴン州ベンドから参加した30歳のステファニー・ハウだった。彼女もまたノースフェイス・ウルトラランニング・チーム所属で、今回が初めての100マイルレースだったが18時間1分の好記録でゴールした。ゴール後のインタビューで、彼女はこんなふうに語っていた。「優勝するためにこれまで努力してきたわけじゃなかったけれど、いまはなんだか畏敬の気持ちでいっぱいです…。夢みたい。」

■Buckle Fever

ウエスタンステイツ・エンデュランスランを30時間未満でゴールしたランナーにはウエスタン・スタイルの銅のベルトバックルが授与され、24時間未満でゴールしたランナーには“100 Miles − One Day”と彫られた銀のバックルが授与される。この銀のバックルはウエスタンステイツ・エンデュランスランの象徴で、スポーツ界で最も信仰的な意味を持つトロフィーであることは間違いない。

今年は399人がスクウォーヴァレーのスタート地点に立ち、そのうち296人がプレイサー高校の陸上トラックまで辿り着いた。公式記録の296人目の完走者は、メリーランド州コロンビアから参加した63歳のトーマス・グリーンだった。

 

WESTERN STATES 100 MILE ENDURANCE RUN 2014 by Luis Escobar

 

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In 1974 Gordon Ainsleigh was registered to participate in the Tevis Cup 100 Mile One Day Equestrian Ride. This historic event traverses the heart of the wild Sierra Nevada from Squaw Valley to Auburn California.After his horse became injured a few weeks prior to the ride, Gordy decided to attempt the 100 mile trail ride, on foot. Shockingly, he completed the course in just under 24 hours. On a hot day in July of 1974, Gordon Ainsligh became the first person to run across the Sierra Nevada and the founder of American Ultra Running.

The Course

The historic Western States Trail was once used by native Americans, Pioneers and Miners traveling between the Nevada silver mines and old west town of Sacramento. Today the route is maintained for multi-use recreation. The Western States 100 Mile Endurance Run starts at the Squaw Valley Ski Resort and finishes 100 miles away on the track at Placer High School in Auburn California. The course climbs nearly 19,000 feet and descends approximately 23,000 through the Granite Chief Wilderness section of the Sierra.Big climbs, steep descents, blowing cold and blistering heat are the hallmarks of the Western States 100 Mile Endurance Run.

Pacer Central

he school at Foresthill is the 62 mile mark and a key location for runner aid and support. For many runners, this will be the first place that they see their families and friends. Most runners arrive at the Foresthill School in the late afternoon or evening. All runners arrive here tired, hot and happy to see a familiar face. This is the place where runners can resupply, freshen up their packs, maybe change their clothes, grab a flashlight and prepare for a long night of summer time trail running. This is also known as Pacer Central, the place where runners can pick up a pacer. Pacers are running companions who help keep the runners on course, offer advice and support. Pacers are not required but most runners use them to help guide the final 38 miles of the course.

River Crossing

It’s ice cold and chest deep at the Rucky Chucky River Crossing. At mile 78, the runners cross the Middle Fork of the American River at the Greenwood Crossing near Drivers Flat Road, also known as Rucky Chucky. A cable is strung across the 50 yards of snow melt and volunteers assist as the runners ford the swift moving currents. The river crossing is an exciting and iconic feature of the Western States Trail.

2014 Champions

He is a member of the North Face Ultra Running Team, he is thirty-seven years old, he is a pharmacist from Flagstaff, Arizona, his name is Rob Krar and he is the 2014 Western States Champion. Rob completed the course in 14 hours and 53 minutes which is the second fastest time in race history.

Stephanie Howe is 30 years old and lives in Bend, Oregon. Stephanie is is also a member of the North Face Ultra Running Team. Her time was 18 hours and 1 minute. This was her very first 100 mile race. At her finish line interview she said, “I didn’t go in with the goal of winning, so to have the day that I had… I’m just kind of in awe – it’s a dream come true,”

Buckle Fever

Every runner who completes the Western States 100 in under 30 hours receives a Western style, bronze belt buckle. Runners who complete it in under 24 hours earn a sliver buckle engraved with the words, 100 Miles – One Day. The sub-24 hour, Silver Western States buckle is iconic and arguably the most covenanted trophy in the sport.

This year, 399 people stood on the starting line in Squaw Valley, 296 of them completed the trek to the stadium at Place High. The final official finisher was 63 year old Thomas Green of Columbia Maryland.

写真/文:ルイス・エスコバル 訳:大島竜也/三田正明

7月31日に掲載されたTRAIL TALK#002にも登場してくれた、カリフォルニア在住の写真家ルイス・エスコバルの連載がスタート!自他共に認めるカリフォルニアのランニング・コミュニティのキーパーソンにして、あのランナーのバイブル『BORN TO RUN』の表紙写真も撮影したルイスによる、アメリカのランニング・カルチャーの歴史といまを伝える連続コラムです。どうぞ美麗な写真と共にお楽しみください!

■ウルトラマラソンと銀のバックル / It’s all about the buckle

テヴィス・カップは100マイル(約160km)を乗馬で競う耐久レースだ。1955年から開催されているアマチュアのための大会で、乗馬で競う耐久レースの始まりとされている。そして現代の多くの耐久ランニング・レースも、テヴィス・カップのスポンサーであるウエスタンステイツ・トレイル財団の尽力の上に成り立っているのである。

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テヴィス・カップはカリフォルニア州タホ湖畔のスクウォー・ヴァレー・スキーリゾートをスタートし、歴史的なウエスタンステイツ・トレイルを横切ってシェラネヴァダ山脈の中心を通り、ゴールドラッシュの街として有名なオーバーンでゴールする。そして24時間以内に100マイルのコースを走った後、「まだ走れる」と判断された騎手と馬のみに、その栄誉の証として銀のウエスタン風ベルトバックルが贈られるのだ。

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耐久ランニング・レースの4大大会のひとつ、ウエスタンステイツ・100マイル・エンデュランスランは1974年にゴードン・アインスレーが初めて完走した。彼はテヴィス・カップで馬と共に1971年と72年に完走したが、73年は馬の怪我のため完走できなかった。翌74年、ゴードンはその100マイルを自分の足で走ることを決め、1974年8月3日の土曜日の朝、ゼッケン0番を胸につけた彼は馬と並んでスタート地点に立った。

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朝5時、スタートの号砲が鳴らされた。馬たちが一斉に走り出し、ゴードンも山の中へと駆けて行った。耐久ランニング・レースの歴史が始まった瞬間だった。そして23時間42分後、ゴードンはそれまで誰も成し遂げたことのなかったことを成し遂げた。その夏の一日で、ゴードン・アインスレーはウエスタンステイツ・トレイルの起伏に富んだ100マイルをランナーが自らの足で完走できることを証明したのだった。

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もちろんテヴィス・カップは乗馬レースであり、1974年にランナーのカテゴリーはなかった。だが、その歴史的な走破によってゴードンにはその証である銀のバックルを授与された。ゴードン・アインスレーは一日でウルトラランニングという新たなスポーツを創り、またその歴史を築いたのだ。

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現在では銀のバックルは耐久ランニング・レースの象徴とされており、ウエスタン式のベルトバックルはヴァーモントからホノルルにいたるまで、最高位のランナーの栄冠として認知されている。こうしてウエスタンステイツ・100マイル・ランを24時間以内でゴールしたアスリートに、“100 miles 1 day”と文字が彫られた銀のバックルが贈られることになったのだった。

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ウエスタンステイツ・ 100マイル・エンデュランスランのWebsiteより:


「ウルトラランニングの世界において、銀のバックルはおそらく誰もが欲しがる賞の最たるものだろう。その起源はテヴィス・カップの完走者に送られたバックルに遡る。バックルは現在では合衆国の100マイル・レースの賞品のスタンダードとなり、100マイル以下のレースでも完走者にバックルを授与している。ウエスタンステイツ・100マイル・ランの銀のバックルはネヴァダ州カーソンのカムストック・へリテージという家族経営の会社によって作られている。24時間以内で完走できなかったランナーには銀ではないが、似た形のバックルが贈られる。すべてのバックルが手作業でつくられているので、一つとして同じバックルはない。」


It’s all about the buckle by Luis Escobar

The Tevis Cup is a 100 mile equestrian endurance ride. It is an amateur event that has been held since 1955. The Tevis Cup is considered to be the founding ride of endurance horseback riding. Many modern endurance events have been based on the efforts of the Western States Trail Foundation who is the sponsor of the Tevis Cup. The ride starts near the Squaw Valley Ski Resort at Lake Tahoe. It traverses the historic Western States Trail through the heart of the Sierra Nevada Mountain Range and finishes 100 miles away in the historic gold rush town of Auburn California. Each rider who completes the 100-mile course within the 24-hour limit and whose mount is judged “fit to continue” can elect to receive the iconic award of completion – a silver western belt buckle.

The Western States Endurance Run was first completed by Gordon Ainsleigh in 1974. He had finished the Tevis Cup on horseback in 1971 and 1972. In 1973 his horse was injured and unable to complete the ride. In 1974, Gordy decided to attempt the 100 mile horse ride on foot. On Saturday morning, August 3, 1974 in Squaw Valley, with bib number 0 pinned to his chest, Gordy lined up with the horses. At 5:00am the starters gun fired, the horses trotted away, Gordy ran towards the mountains and directly into endurance history. Twenty-three hours and forty-two minutes later Gordy showed up in Auburn. He did what had never been done. On that single summer day, Gordon Ainsleigh proved that a runner could actually traverse 100 miles of the rugged Western States Trail on foot.

The Tevis Cup is a horseback ride – it is not a run – in 1974 there was no “runners category”. At the finish of his historic run, Gordy was presented with the Tevis Cup’s award of completion – a silver western belt buckle. In one day, Gordon Ainsleigh had created a sport and a established tradition. Today, the Silver Buckle is the icon of endurance running. From Vermont to Honolulu a western style belt buckle is recognized as a the highest level of running achievement.

To this day, athletes who complete the Western States 100 Mile Endurance Run in 24 hours or less, will receive the Silver Buckle which is engraved with the words “One Hundred Miles One Day”

From the Western States 100 Mile Endurance Run website:

“The Silver Buckle is perhaps the most coveted award in ultrarunning. With roots going back to the award given out to finishers of the Tevis Ride, the belt buckle has now become the standard for 100 mile races in the US. Some shorter races even award buckles to finishers. The Western States Silver Buckle has been hand crafted by the family run business Comstock Heritage in Carson City, NV since the beginning. Below is a picture of the buckle given to the winner. All sub-24 hour finishers receive a similar buckle. Note that because these are handcrafted, no two buckles will look exactly alike.”

ライターA群

WRITER